「プロ根性の女優・新井茂子さん」警視庁物語 不在証明 十五才の女 papatyanさんの映画レビュー(感想・評価)
プロ根性の女優・新井茂子さん
警視庁物語シリーズ第16話となる「警視庁物語 十五才の女」は、社会福祉の名の裏に、恐ろしい悪行が露見されるシリーズ中の異色作。脚本は警視庁鑑識課に勤務していたした長谷川公之のオリジナル。監督の島津昇一は、名監督“島津保次郎”のご子息。警視庁物語は助監督を経て4本監督しています。
多摩川の水門に浮び上った少女の死体は、手配写真から林美代子(新井茂子)という十五歳の少女で、売春婦であった。
被害者役の新井茂子さんは、刑事役の千葉真一と同期の東映ニューフェイス。主に現代劇やTV映画に多数出演しておりファンです。多摩川の水門に浮かぶ死体役は新井さん本人だそうで、とても寒かったと話しています。当時の女優さんはわがまま言いませんでした。プロ根性ですよ。今ならゴネるでしょうね。その後、新井さんは島津昇一監督の「警視庁物語 19号埋立地」(第19話)に近所の奥さん役でチョット出のあと、「警視庁物語 十代の足どり」(第22話・佐藤肇監督)のメインゲストで登場します。夫は特撮TVシリーズ「キャプテンウルトラ」(昭和42年)の俳優、中田博久さん。
刑事グループのチームワーク、新井茂子さんの熱演、当時の世の中の不条理を描写した企画姿勢の「警視庁物語 十五才の女」は一見の価値があります。
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