腰抜け女兵騒動
劇場公開日:1961年1月26日
解説
有吉光吉の原作を目黒専吉、梶孝三が共同脚色、「唄祭ロマンス道中」の佐伯孝三が監督した戦争喜劇。撮影は黒田徳三。
1961年製作/81分/日本
配給:東宝
劇場公開日:1961年1月26日
ストーリー
太平洋戦争の末期、大陸某地の最前線で日本軍の一部隊が全滅した。頓田、三木本、松浦の二等兵三人は生き残った。三木本、松浦の二人は兵隊をやめて中国町にもぐって商人になろうといいだした。頓田先任二等兵は、二人を一喝、友軍への合流を主張した。三人は途中のあばら家で、友軍に殺された姉の子を抱く若い女桂花を救った。三人は友軍枝本分遣隊に合流してきた。本隊から巡察に来ていた大田黒中尉は名誉の戦死と発表した三人が生きていてはまずいと、三人を危険区域に派遣させよと枝本少尉に命じた。枝本少尉はやむなくゲリラの密集地帯への偵察を命じた。三人は、途中、隊のある下士官がピーナツ売りの姑娘ソーラン、辛秀の二人を犯そうとしているのを助けた。三人は無事任務を果して帰隊してみると、姑娘一件の下士官はゲリラのために殺されて隊に投げこまれていた。それを見た三人はゲリラの捜索を志願して再び危地に赴いた。しかし、変装したゲリラのために捕えられあわや、という時に入ってきたのは以前に助けた女桂花であった。三人は桂花によって救われた。三人がようやく部隊に帰りつくと隊では三人の英霊に敬礼を捧げている最中であった。すっかり化物扱いにされた三人は、更に敵中突破の上本隊への連絡任務を命じられた。有力な女兵部隊がいる山中を三人は突破しなければならない。三人は池で水浴をしている女兵の服を失敬、自ら女兵になりすまして敵女兵部隊へと乗り込んでいった。到着早々さまざまな猛訓練を受けるがうまく化け通す。しかし、身体検査の折隊長芳蓮に見破られ女兵裁判にかけられる。開廷された検察席には意外にも桂花の姿があり、桂花の鋭い論告に依って三人は死刑の判決をうけてしまった。刑場に引かれる三人、銃殺隊の一斉射撃に三人は--床の間に落っこちて身もだえする三人を抱き起したのは枝本隊の古参兵である。すべては敵中突破に出発するという寝苦しさに見た夢であった。翌朝、三人は出発した。前進するうち、後方に凄じい銃声を聞いて三人は慌てて引返した。そこにはゲリラの猛攻によって部隊は全滅していた。がっかりする三人の二等兵は、戦乱の曠野を「日軍降伏、戦争終結」の伝単を踏みながら、あてもなく遠ざかっていった。