続・色暦大奥秘話 淫の舞のレビュー・感想・評価
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もっときちんと描けていれば、もっと良い作品になっていたと思います
この作品の鑑賞前に東映の「大奥㊙物語」を鑑賞していて、大奥の下調べをある程度していたので、人間関係やそこで渦巻く嫉妬や妬みなどは良く理解できました。
正直「大奥㊙物語」ではメインどころの女優たちが出演していたので、㊙という隠語がついていても、正直あまり大奥の実情を感じることはできませんでした。
今回の作品は日活ロマンポルノの作品という事でもあり、ある程度の露出はありましたが、時代でしょうか。今のAV作品も見ている目にはかなり物足りなく、形式美的な作品でした。
御客会釈の藤岡(真湖道代)に可愛がられているおるり(山科ゆり)と藤岡に敵対している雲井(花柳幻舟)とおせき(小川節子)のどちらが将軍の夜伽に出来るのか。またその結果将軍家慶(三川裕之)の子を懐妊する事が出来るのかを競い合っていきます。
藤岡はお年寄の稲葉(橘田良江)の同性愛の相手をして、おるりが有利になるように仕向けて行きます。
もし懐妊し男子を出産すればお部屋様となり、それを世話していた御客会釈の待遇もより良くなるわけです。
この時の藤岡がとても憎らしく、将軍はおせきの事の方を気に入っていたと思うのですが、将軍に気に入られぬように入れ知恵をしてり、わざとおせきの裾を踏んで転倒させたりもします。
憤慨した雲井は藤岡に対して殿中にて刃傷沙汰を犯してしまいます。
騒動はおせきが止めておさまりますが、雲井はその罰で尼寺にて尼僧となり、大奥からは追放されます。
結果おせきは藤岡の元に仕えるようになります。
仲間外れのような待遇になりますが、将軍からの指名もあり夜伽の相手をしますが、懐妊の兆しはありません。
そのうちにおるりが懐妊された事を知らされます。
雲井のアドバイスから別の男性と関係を持つ事で、将軍の子としようとするものでした。おせきは幼なじみの弥助(大泉隆二)に抱かれます。
大奥に戻ったおせきは夜伽の命を受けますが、そこに弥助が忍び込みます。おせきと一緒にいる所を藤岡に見つかり、騒動となります。
おせきは殿中に火をつけるのでした。
対立関係は分かりやすく、藤岡のにくらしさが際立っていて見やすい作品になっていたと思います。
本当の火を使って、火災のシーンを撮影するなど、この時代のロマンポルノにかける費用の大きさも感じました。
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