走れ!コウタロー 喜劇・男だから泣くサ
劇場公開日:1971年2月6日
解説
周囲から無理矢理に騎手に育てあげられたしょぼくれ男が故郷で可愛がっていた愛馬コウタローと再会し、出場レースに連戦連勝する物語。主人公の藤倉俊介には、新しいタイプの喜劇役者として人気のある藤村俊二が当る。なお彼にはこの後「男だからホレるのサ」と「喜劇・突然変異」の主演作が続いている。脚本は「男の世界」の中西隆三。監督は脚本にも参加している「喜劇 新宿広場」の山本邦彦。撮影は「無頼漢」の岡崎宏三がそれぞれ担当。
1971年製作/86分/日本
配給:東宝
劇場公開日:1971年2月6日
ストーリー
この世に稀なお人好しで、人一倍のあわて者、赤ん坊の時に乳母車から真っ逆さまに落ちて乗り物恐怖症になった藤倉俊介は、父馬吉から馬吉が果しえなかった一人前の騎手になる夢を託され、家出常習娘アケミと東京へ飛び出した。ところがアケミには、春川というヤクザな男が出迎え、たちまち東京のド真ン中へ放出された俊介は上京第一日目から泣きっ面。その頃、東京で一旗上げようと上京していた心臓男花村京太と知りあったが、俊介の財布は、無一文で空腹をかかえた京太の大食に、早くもスッテンテン。俊介は、嵐田万三厩舎で馬丁を募集しているのを知った。嵐田は俊介が昔仲間の馬吉の息子と知り採用した。そこで俊介を待っていたのは、亭主よりも馬の方が好きだという、出戻り娘のカナ子だった。彼女のシゴキには定評があり、その猛特訓に堪えきれず逃げだした見習い騎手が一ダースもいるというじゃじゃ馬娘。カナ子の激しいスパルタ教育の結果、俊介は将来の大物とタイコ判を押され、そしていよいよ初出場の日がきた。しかし、かねてより一目惚れしていた、ホースフラワーの馬主馬越平九郎の娘かすみの姿が目の前にちらつき見事落馬。傷心の俊介は、脚を痛めて廃馬寸前のなつかしいコウタローと再会した。俊介と調教師熊五郎の日夜をついでの涙ぐましい努力でコウタローは奇跡的に立直った。一方、馬越の運転手となり、奇妙な友情で結ばれている京太から、俊介と熊五郎とコウタローの話を聞いたかすみはすっかり感動、友人たちとコウタローの馬主になり応援することになった。憧れのかすみから勝利の女神のメタルを贈られた俊介は、それを愛のしるしと思いこんで有頂天。持病の恐怖症もすっとばした俊介とコウタローの活躍は素晴らしく、出場レースに連戦連勝。遂にファン投票で一位を獲得し日本グランプリレースの出場が決定した。俊介は、コウタローの勢いに恐れをなした馬越の妨害があったものの、花村に救いだされ、いよいよ大レースの発走。熱狂する観衆を前に各馬一群になって疾駆するが、コウタローは進路を塞がれて出るに出られずドン尻。俊介の頭の中に、嵐田の激励、カナ子の特訓が光のように駈けめぐる。俊介の鞭が鳴った。踊り出たコウタローはいならぶ名馬をゴボー抜きにし、ゴール直後、俊介まで振り落して見事優勝。