姿三四郎(1970)

劇場公開日:

解説

早撮りの名手、渡辺邦男が手がけた日本男子の原型・姿三四郎。脚本・監督は実に七年ぶりの渡辺邦男。撮影は西前弘が担当。

1970年製作/88分/日本
原題または英題:Dawn of Judo
配給:松竹
劇場公開日:1970年7月25日

ストーリー

明治十六年、柔道が世人の注目を浴び出したころ、矢野正五郎は隆冒寺に紘道館を構え、従来の柔術に新理論を加え、その地位を高めようと意欲を燃やしていた。ある夜、正五郎は折あらば粉砕の野望を抱いていた門馬一味に襲われた。その現場に車夫として居合わせた、姿三四郎は、毅然とした正五郎の態度に惚れ込み、紘道館へ入門した。三四郎の柔術への情熱は異常なほどであった。正五郎はそんな姿をみるにつけ人間としてのあり方を教えるのだが、三四郎は恩師の言葉に反撥して、寺の蓮池にとびこんでしまった。一本の杭に身を任せ、一昼夜水の中で過した三四郎はやがて心眼を開いた。心業ともに一体になった三四郎は警視庁武術大会に出場した。対戦者は柔術界の雄、村井半助であった。三四郎は得意の山嵐で見事に勝つが、負けて勝者を讃える村井の人格と、その娘早乙美の純愛に挟まれ、苦悩した。そんな三四郎を打倒しようと待ち構えていたのは村井の高弟、桧垣源之助であった。勝利のためには手段を選ばぬ桧垣は、姿を憎悪し、さらに早乙美との恋をも賭けてその決闘の日を窺っていた。そして、右京ケ原に、宿命の対決をむかえた。生死を賭け、互に秘術をつくして、激闘をつづける三四郎と桧垣。三四郎は一瞬のスキをついて、桧垣を倒した。だが、禁じられた他流試合を自ら求めた三四郎は、右京ケ原をあとに一人旅立った。

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