花札賭博 猪の鹿三番勝負
劇場公開日:1970年2月11日
解説
「夜の歌謡シリーズ おんな」の成澤昌茂が脚本を執筆し、コンビを組んだ鷹森立一が監督した新シリーズ第一作。撮影は「(秘)トルコ風呂」の稲田喜一。
1970年製作/88分/日本
配給:東映
劇場公開日:1970年2月11日
ストーリー
逸見千加は、一匹狼の博徒樫村新介に花札をしこまれた女博徒で、今はクラブ「千加」の雇われマダムをしている。店には四人のホステスがいたが、早苗は娘を千加に預けて今はいない。暴力団矢田部興業への借金から熱海で体を売っているとのことだった。千加は矢田部に早苗を帰すよう懇願したが、彼はホステス三人と早苗の体を賭けて勝負しようと持ちかけた。元仕事師の寅市はこの勝負を知って、玄人相手では勝目がないと忠告。だが、勝負に臨んだ千加は新介の手助けを得て、早苗を取り戻した。しかし、矢田部の妹昌代は新介を見届人として再度の勝負を挑んできた。昌代は矢田部興業に草鞋を脱いでいる新介に思いを寄せていた。日を移して行われた勝負は昌代の勝と出たが、いかさまを見抜いた寅市の証言で新介は引分けとした。クラブ「千加」の持主・阿久島は、肌をまかせない千加を自分の女にしたいと思っていた。そんな彼に新介は邪魔な存在だった。高利貸の阿久島は新介と千加を対決させるよう命じた。ちょうどそこへ暴れ込んだ寅市は矢田部に殴り殺された。その寅市こそ行方知れずになっていた千加の父だった。千加は自殺した早苗と寅市の恨みを胸に、「千加」を賭けた三度目の勝負に臨んだ。矢田部を見届人とした新介との勝負に千加は敗けた。が次の瞬間、昌代がいかさまを主張した。怒った矢田部は湖畔に新介を呼び出し、匕首を抜いたが誤って氷の裂け目に落ちて死んだ。やがて、新介は自首し、千加は寅市の遺骨を抱いて北海道へ発った。