劇場公開日 1980年1月26日

「最近まで見られなかった傑作」翔べイカロスの翼 lotis1040さんの映画レビュー(感想・評価)

3.5最近まで見られなかった傑作

2013年11月8日
PCから投稿
鑑賞方法:TV地上波

泣ける

笑える

幸せ

この作品はひとりの男が生きた歴史を綴ったひとつの物語だ。

山口昌男の道化の理論を思い出す。
道化は話を盛り上げるために様々なことをする。
ときにそれは人の不幸を呼び寄せ、ときには人の幸福を作る。
そしていつの間にか話の中心にいるのが道化だという道化の理論。

この主人公の道化は、無難に生きることに思わず背を向けてしまったひとりの男である。

それが彼にとって正しかったのか間違いだったのか今となってはわからないが、それでもそれが本当に正しかったのだと信じたい。そう信じたくなるような作品だ。

上映会を誰かが企画して、そしてそれを見るしかないというのが今までの現状で、2012年にDVD化され家庭でも見えるようになった。
これはまったくこの映画のファンとして嬉しい限りである。

lotis1040