果てしなき絶頂
劇場公開日:1978年5月20日
解説
家を飛び出し上京した女性が、都会での生活に傷つき、発狂する姿を描く。脚本は「四畳半・猥褻な情事」の中野顕彰、監督は「16歳・妖精の部屋」の加藤彰、撮影は「性愛占星術 SEX味くらべ」の萩原憲治がそれぞれ担当。
1978年製作/75分/日本
配給:にっかつ
劇場公開日:1978年5月20日
ストーリー
十年前、家を飛び出し上京した三奈子と健次の姉弟は、二年前から別々の道を歩み始めていた。三奈子は、積極的なサービスで人気を集めるソープランドの従業員であった。ある日、三奈子のもとへ、健次と結婚するというサチが訪ねて来る。それから数日間、三奈子は仕事を探しながらも、弟夫婦と楽しい時を過ごす。バーに勤め始めた三奈子は、店の常連でプロ野球選手の若山と結婚し、妊娠する。幸福な生活を続けていた三奈子は、外出先で昔の恋人でヤクザの森たちに乱暴され、遂には堕胎させられてしまった。三奈子から事情を聞いた健次は、森の事務所に押し入るが、逆に殴り倒される。若山と森の三奈子をめぐる争いで、森は死亡してしまった。若山と三奈子の逃避行が始まったが、その後を森のヤクザ仲間の西野が追っていた。少女のように明るさを取り戻した三奈子は、若山と共に山奥の温泉宿で幸せをかみしめるのだった。そんな二人を追っていた西野たちは、若山を襲い刺殺する。数日後、若山の火葬が行なわれていた際、突然、三奈子は発狂した。堕胎や夫の急死によるショックから、三奈子は発狂したのだと医者は言った。幸福を求めながら、それを掴みきれずに生きる三奈子の姿に、十年前に上京した時の青春の思影を感じる者は、誰一人としていなかった。