「そっと教えてくれる作品」ドカベン(1977 鈴木則文) K・Mさんの映画レビュー(感想・評価)
そっと教えてくれる作品
小学生の時のドカベンブームにおいてアニメ化は当然という反応だったが、実写映画化は我々ガキ共でさえ何も期待していなかった。
あの原作漫画を実写で表現出来るとは思えないし、そもそもマンガの実写化がファンの期待に応えたことは昭和時代であっても皆無であったから。
しばらくして、土曜の午後にテレビ放映されたのを観たが、あまりの棒とバカバカしさに腹が立ったのを覚えている。
ところが大人になって久々に観ると、これが面白い。
オススメする気はさらさら無いが、則文ワールドの攻撃を浴びた者なら自然に笑みがこぼれてくる。
劇中、「お前、正気か?!」というセリフがあるが、どこに正気なやつが居るのか。
子ども人気を当て込んで作るのなら、〈わかる人にしか楽しめない監督〉を起用している時点で狂気の沙汰だよ。
なにも求めなくていい映画が、ここにある。
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