わんぱくパック まなつのよるのゆめ
劇場公開日:1977年2月14日
解説
井上ひさしの『真夏の夜の夢』という戯曲をもとに、進学というテーマをまぜあわせたミュージカル。脚本・監督は加藤盟、撮影は西浦清のそれぞれが担当。
1977年製作/70分/日本
配給:共同映画
劇場公開日:1977年2月14日
ストーリー
半年後に完成する児童館の落成式に“すみれ少年少女合唱団”はシェイクスピアの「真夏の夜の夢」をミュージカルにして発表しようと計画。実はこの合唱団、子どもたちが学習塾へ行くものだから、メンバー不足。特に男子がたりない。メンバーのマリちゃんからたのまれて太郎は合唱団の仲間入りをする。合唱団のバン先生も助手のトンビ姉さんも大はりきり。しかし、練習場が学習塾の教室になってしまう話が進められていた。それに太郎も、家庭教師にしぼり上げられ、主役のパックのセリフすら覚えられない。悩む太郎に夏休み、合宿をして、けいこするとの計画が知らされた。ところが、太郎は家庭教師にとめられる。どんなことがあろうと、夏休みの勉強計画は変えられぬと家庭教師は言った。太郎は家庭教師に大きなパイを投げつけ、物置にこもって、ストライキをはじめた。そこで、見た夢は太郎が、本物の妖精パックといれかわり、家庭教師を追い出して、合宿行きを両親に認めさせるというものである。太郎といれかわったパックは、魔法のスプレーで家庭教師の出す難題を、次から次へとこなしてしまい、あげくのはてには、進学教室の中学受験コースから大学受験まで、パスしてしまいました。勉強、勉強の太郎をみて、両親はびっくり、身体をこわしては大変と家庭教師をクビにし、合宿行きを許してしまうのだった。一方、太郎はパックになって妖精の国の王子となり、お城へ出かけるのであった。ところが、パックの家庭教師は太郎の家庭教師にそっくり。しかし、「体力重視」の妖精の国は太郎にはもってのこいだった。合宿の日、パックは太郎になりすまして、合唱団の仲間の会話を歌にしてしまうなどのいたずらをして遊んだ。そのころ、妖精の国では、大切なハメルンの笛がボブゴブリンとペリウイギンの二人に、盗み出され、太郎が探しに行くことになる。盗人の人間の世界をのっとるたくらみは、太郎とパックの力でみごとに、うち破られる。ここで、目をさました太郎には、実際にその夢が、かなえられており、家庭教師はクビ、合宿行きもよいということになっていた。