「すごい明朝体」犬神家の一族(1976) せつこんさんの映画レビュー(感想・評価)
すごい明朝体
製薬会社で財閥の犬神家の当主が死亡。その遺言状を巡り、血の繋がらない兄弟、孫たちの間で殺人事件が起こる話。
まず、最初のキャストやスタッフの紹介が明朝体でデカデカと黒バックに白文字で示されるのでもう私の心は鷲掴みされた。こんなデカい明朝体今みると逆に斬新なのよ(笑)そこに三國連太郎とか出てきたらもうかっこ良いのなんの。
他にも今見ると斬新だなって思うのは遺言状の中身を知って興奮して思いっきりセリフが被りまくっている姉妹たちや、やたら大袈裟に驚いたり過剰な音楽の感じが今やったらチープだけどこの時代だから良い。でもスケキヨの火傷の顔見て思いっきり悲鳴上げてるのは、めちゃくちゃ失礼だなアンタって思った(笑)
跡取りを巡る話なので一見男が中心になる話かと思えばガッツリ女性達の話。3人の娘達はもちろん、珠世が案外怪しげでめっちゃ行動する女だったのが良かった。こういう財産を全て受け継いじゃうような女性って弱い感じの演出されることが多いからさ。
さらに同性愛の話や顔に火傷をおった"スケキヨ"など、ガチガチの伝統的なお金持ち一族の話の皮を被ったマイノリティの話でもあるような気がする。そう思うと最後、猿蔵が「あの人のこと忘れられないんだ」と花束を抱えて言うのも金田一に恋してるのかな?と思ったり。
というかここまで大事になるのも全てはジジイが脇目も振らずに色んな女性を孕ませてしかも正妻として扱わないからで。それで財産貰えなかったら私だって大騒ぎするよ。
>そう思うと最後、猿蔵が「あの人のこと忘れられないんだ」と花束を抱えて言>うのも金田一に恋してるのかな?と思ったり。
なるほど!面白い!
確かにちょっとひっかかた台詞でした。