どっこい!人間節 寿・自由労働者の街のレビュー・感想・評価
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利用するだけと問われたら
「さようなら昭和百年映画特集」にて鑑賞
東京・山谷、大阪・釜ヶ崎と並ぶ労働者の街・横浜寿町に集う日雇い労働者の声を集めた小川プロによるドキュメンタリーです。
筋ジストロフィーを患いながら生活保護だけで簡易宿泊所で孤独に暮らす人、酒を断ちたいので酒を飲まない様に見張っていてくれと懇願する人、虐められる在日朝鮮人の立場を訴える人、多くの人が差別と貧しさの中で藻掻いている姿が生々しく映し出されます。
そんな中、「景気がよく成れば寿の人間が増える」の言葉は現在の日本に通じる示唆に満ちていました。景気がよく成れば全ての人の生活が底上げされて不安定な日雇い生活をする人は減る筈なのですが、実際には好景気とは、一部の人を効率よく使い捨て一部の富裕者をより豊かにするプロセスになっているのでしょう。
また、「写真家やテレビは取材に来て我々を利用するだけ利用して逃げて行く」との労働者の指摘に対して映画制作者が何と答えたのかまでも紹介して欲しかった。それこそドキュメンタリーを撮る事の意味への問いかけだと思うからです。
ちなみに、本作は確かに生々しい証言に満ちていたのですが、そのインタビューの殆どをクローズアップの長回しで次々と撮っていたので、少し息苦し過ぎました。映画作品そのものにもう少し呼吸をさせて上げる必要があったのではないでしょうか。
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