解説

「ノラ」を監督したベルトールド・フィルテル氏がヴェスティ社で自ら脚色し監督した夢幻劇で、クゼレピー映画等に出ていたオットー・ゲビュール氏が主演し、相手役は「燃ゆる嫉妬」「寵姫ズムルン」のイェニー・ハッセルキスト嬢で、「春の流れ」のオシップ・ルーニッチュ氏、「シラノ・ドウ・ベルジュラック」のアンジェロ・フェラーリ氏等が助演している。無声。

ドイツ
原題または英題:The Wig Die Perucke

ストーリー

事務員のケルリンは自分の禿頭を苦にしていた。ある日のこと事務所で酷くなぶられたので彼は外へ飛び出した。そして理髪館に駆け込んでかつらを買った。うちに帰って被って見ると我ながら見違える程立派な男振りだった。しかしかつらの鬢のところに穴があいていた。弾丸の穴かしらと思いながら立ち上がると何時の間にか彼は貴族になっていた。彼は馬車に乗って市外の城へ帰った。殿様がお帰りと召使が云うと奥方は気を失った。その夜城で宴会が催された。殿様(ケルリン)は花火の音で目を醒まし庭に出ると彼は妻と恋人ジュリアンとの影を見た。彼は客人達を追っぱらった。彼が妻の部屋へ押入るとそこには医者が来ていて皆で彼を小屋へ連れて行って縛り上げてしまった。召使に助けられて城へ帰ると妻は何してもジュリアンとの愛を許してくれといった。彼は二人を追放して短銃執って己れの頭を撃った。我に帰ると元のケルリンとなっていた。事務所から彼を迎えに来た。

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