ミルトンの幸運児
解説
「ミルトンの与太者」「ミルトンの一攫千金」と同じくレオン・マトが監督したジョルジュ・ミルトン主演映画で、アンドレ・バルド作、ラウール・モレッティ作曲のオペレットに取材して、右記二映画と同じくルネ・ピュジョールが脚色したもの。助演者は「巨人ゴーレム(1936)」「巴里-伯林」のジェルメーヌ・オーセエ、「若き日」、「沐浴」のポーレット・デュボー、「泣き笑い千法札」のアキスタパース、「掻払いの一夜」の故エディット・メラ、「胡椒娘」のエチュパール、「赤ちゃん」のポーリーヌ・カルトン、「上から下まで」のモルトン、其の他多勢である。撮影はルネ・ガヴォーとポール・ポルティエが担当。音楽はミシェル・レヴィーンが編曲、指揮に当たっている。
1935年製作/フランス
原題または英題:Le Comte Obligado
ストーリー
パリの一流衣装店でエレヴェーターボーイをしているアントワーヌは、何時も愉快に人を笑わせているが、生来のお人好しから貧乏とは縁が切れなかった。そこへ天から降った様に遠い従兄の遺産が二万円も転込んだが、色々手数料を差し引かれると残ったのは三千円だった。彼は三日間の休暇を貰って一日に千円づつ使って大尽遊びを計画する。先ず自慢の髯を落とし、洒落た服装で現れたのは勤め先の衣裳店である。札びらを切っている所を同じ店で働く恋人ミテエヌに見つかったが他人には気付かれないのを幸に、彼女はアントワーヌを支配人にオブリガード伯爵として紹介した。経営困難で資金を探していた支配人アマンディヌは、彼を金持ちとして接待に勤める。ポリニー男爵やミランダ夫人の一味もオブリガード伯爵の金を捲上げようと計画を進める。翌朝ミランダ夫人から遠乗りに誘われたアントワーヌは、生まれて始めて馬に乗って怖々公園へ行き、やっと夫人に逢いはしたものの、馬は何かに驚いて街の盛り場を走り廻り、十字路で彼を振り落としてしまう。伯爵を主賓にしたパーティーが衣裳店で開かれ、その間に猛烈な出資勧誘があの手、この手で行われる。そして最後の三日目が来た。衣裳店の女店員ジャンヌは伯爵をアントワーヌだと見破って支配人に報告するが、彼は仲々それを信用しない。その頃アントワーヌは三千円を費い果たして僅かに六十五銭しか持っていない。ところが前にポーカーで勝った富券があるのを思い出して抽籤を見に行くと、当たりも当たったり五十万円に当選した。彼は直ぐ店へ駆けつけ恋人ミテエヌの為にその店を買い取り、二人は結婚する事になった。
スタッフ・キャスト
- 監督
- レオン・マト
- 脚色
- ルネ・ピュジョール
- 原作
- アンドレ・バルド
- 撮影
- ルネ・ガヴォー
- ポール・ポルティエ
- 美術
- Pierre Schild
- 音楽監督
- ミシェル・ミシェレット
- 音楽
- ラウール・モレッティ