夜の空を行く

解説

「夜間飛行」の原作者アントアヌ・ドウ・サンテクジュペリが書卸したオリジナル・シナリオによって、かつて「狼の奇蹟」を作りトーキー以後フランス映画界の巨匠の地位に在るレイモン・ベルナールがアンドレ・ラングと協力脚色し、監督に当たった映画で、「ゴルゴダの丘」「ドン・キホーテ(1933)」のジャック・イベールが音楽に、「ゴルゴダの丘」「地の果てを行く」のジュール・クリュージェとマルク・フォサールが撮影に、夫々当たっている。主演者は「最後の戦闘機」「地の果てを行く」のアナベラと「外人部隊(1933)」「栄光の道」のピエール・リシャール・ウィルムで「第二情報部」「最後の戦闘機」のジャン・ミュラー、「ミモザ館」のポール・アザイス「最後の戦闘機」のピエール・ラブリ、舞台出の新顔アベル・ジャッカン、クリスチャン・ジェラールが助演している。

1935年製作/フランス
原題または英題:Anne-Marie

ストーリー

或る飛行機会社に、艱難と危険に結ばれた五人の操縦士がある。彼等は互いにあだ名で呼び合い決して本名を口にしなかった。探偵、瞑想家、色男、拳闘家、百姓、の五人である。或る朝、瞑想家は新型機の試験飛行を行って危うく一命を落とすところだった。五人はそれを設計の誤りに依るものだと、早速それを受け持った技師の所へ怒鳴り込むと、意外にも技師はアンヌ・マリーという若い女性だった。五人は彼女と忽ち仲良しになってしまい、彼女を一人前の飛行士に育て上げ様とした。アンヌ・マリーを五人以外の男に独占させたくないと、彼等は思う様になったが、彼女は何時しか発明家を愛する心になっていた。五人は発明家とアンヌ・マリーを近づけない様にし彼女が男の求愛に慣れて無関心となる様、毎日無名の恋文を彼女に送る事にした。恋文は瞑想家が書き一同に読み聞かせた上で送っていたが、そうする間に彼は自分が本心から彼女を愛している事を知り、秘かに手紙の数は増した。アンヌ・マリーは差出人不明の恋文の主を突き止めて呉れと探偵に頼んだ。四人は始めて瞑想家が秘かに彼女を愛している事を知って彼を責めたが、彼の苦しみを知ると、これからは堂々と署名して出せよ、と慰めるのだった。しかし瞑想家は新しい試験飛行で墜死してしまった。ポケットに残された手紙を見て、アンヌ・マリーは今迄発明家から来たものとばかり思っていた恋文が、実は瞑想家から来たものだと知って涙を流した。だが彼に対する愛は兄妹の愛であった。残った四人は彼女の本心を知って彼女を発明家に帰すべきだと思った。アンヌ・マリーは瞑想家の為に耐久記録飛行を行った。空は荒れ機は危険にさらされたが、無電は破損し燃料は残り少なになって来た。その時夜間演習の陸軍機が六十機、アンヌ・マリーが周回しているアングレーム市の方向へ翼を連ねて行く。操縦士と発明家の五人は当局に告げて直ちに駆逐機に命令が下り、危機に臨む六十機を追って事なきを得た。しかしアンヌ・マリーはやはり着陸場が見当たらず、アングレーム市の上空を旋回していた。発明家は変電所へ駆けつけて、全市の電燈を明滅して、空中の彼女に信号を送った。「正南十二キロメートルに照明のある飛行場がある」彼等が飛行場に着いた時アンヌ・マリーは着陸した所だった。「アンヌ・マリー行っておやり」と四人は彼女を発明家の自動車の方へ押しやった。

全文を読む(ネタバレを含む場合あり)

スタッフ・キャスト

全てのスタッフ・キャストを見る

映画レビュー

映画レビュー募集中!

この作品にレビューはまだ投稿されていません。
皆さまのレビューをお待ちしています。
みんなに感想を伝えましょう!

レビューを書く