赤鼠

解説

ルドルフ・マイネルト氏作の小説に基づいてエマヌエル・アルフィエリ博士が台本を書き、ルドルフ・マイネルト氏が監督製作したもので、主役は「海賊ピエトロ」「蠱惑の街」等出演のアウド・エゲデ・ニッセン嬢と「海賊ピエトロ」「ジーグフリード」等出演のパウル・リヒター氏で、チャールズ・ウィル・カイザー氏、マルガレーテ・クップァー嬢、レッセル・オルラ嬢、フリッツ・シピラ氏等が助演する。無声。

1926年製作/ドイツ
原題または英題:The Red Mouse Die rote Maus

ストーリー

長い間警察を手こずらしていた赤鼠団に年貢の納め時が来た。しかし赤鼠と異名をとったファンニーは情夫ビリーの犠牲で縄目を逃れ、ビリーを二年の懲役に処刑した判事フランクリン博士の妻となった。一年後出獄したビリーはファンニーの現在の身の上を知り彼女の裏切りを深く憤った。ビリーは相変わらず夜盗を働き折々ファンニーを脅迫しては幾何かの金を奪っていた。或晩スペイン大使館で夜会が催されたときビリーは召使に化けて入り込んだ。招待されて来たファンニーにビリーは大使夫人の真珠の首飾を奪って来いと命じた。ファンニーはやむを得ず首飾を盗んだ。彼女が自責の念を感じた時、首飾は既にビリーの手中にあった。ビリーは隠家に帰って見ると手が廻っているのでファンニーにかくまって貰おうとフランクリン邸に向かった。警官は迫った。バルコニーに登ろうとしてビリーが見上げると悲しみに青ざめているファンニーが立っていた。ビリーは一言も洩らさず逃げようとしたが警官の弾丸に倒された。共犯者の名を詰問されてもビリーは言わぬ言わぬと口走って、寂しい微笑を浮かべて絶息した。

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