ケエニクスマルク

解説

ピエール・ブノア氏の小説に基づき、レオンス・ペレ氏とルネ・シャムピニイ氏とが脚色し、「ありし日のナポレオン」を監督したレオンス・ペレ氏が監督した大作品で、主役はコメディー・フランセエズ座付の名女優であり、「犠牲」に出演したユゲット・ブュフロオ夫人と「嘆きのピエロ」「海の人」等出演のジャック・カトラン氏とで、その他にもアンリ・ウウリイ氏、マルシア・カプリ夫人、ジョルジュ・ヴォーティエ氏等が共演して居る。ローテンプールと言う仮想国を背景とした悲劇で、一九二四年度優秀映画をフランスのシネア・シネ誌が投票で募集した時、第一位を克ち得た作品である。無声。

1923年製作/フランス
原題または英題:Koenigsmark

ストーリー

テューメーン候の愛娘オーロール姫はメグラニア公爵と父との希望に依り、心ならずも公爵の世嗣ロドルフ候と名のみの結婚をしたが、約半年の後ロドルフは公爵の命により鉱脈調査のためカメルンへ派遣された。夫人は侍女のメルシーン伯爵夫人と共にパリに赴き父と共に憂鬱を晴らす為に日夜歓楽の巷へ出入りして居た。夫人はロドルフ候がカメルンで病死したとの報を聞きかつて自分が夫に切なる恋を打ち明けられた時、憤怒の極強いて夫をカメルンへ送った事を悔いた。ロドルフ候の弟フレデリック候の世嗣の家庭教師として迎えられたフランス人ヴィニエルトは、候の命に依り三世紀前のハノーヴァー城の秘密に就いて史的調査をするうち、城内の大暖炉に往時の秘密がある事を知り、これを捜って一個の髑髏を発見した。その傍らにオーロール夫人の肖像入り首飾りを見出した彼は、夫人に此の驚くべき事実を告げた。夫人は彼に其の夜共に現場を調査しようと約した。これを立聞きした侍女はフレデリック候の腹心ブース男にこれを告げた。候と男はかつてロドルフ候出発の夜、候を殺害してカメルンへは候の替え玉を送ったのであったが、その秘密の洩れるのを恐れ、其の夜夫人とヴィニエルトが調査中に爆薬に火を点じて二人を亡きものにしようとした。夫人はヴィニエルトの働きで救出されたが、夫人は始めてロドルフ候の死が弟フレデリック候等の奸策であることを悟った。偶々メグラニアとフランスとの戦端が開かれフレデリックは絶好の機会とヴィニエルトを捕縛しようとしたが、夫人は自ら彼を国境まで送り届け帰邸するやフレデリックに証拠品を示して其の罪を償う事を迫った。候に目の当たり兄侯爵の幻影に責められ、煩悶の極遂に自決した。やがて平和克復の後、オーロール夫人は夢にも忘れなかったフランスに赴き、戦争当時行方不明と成った懐かしいヴィニエルトの墳墓に額づきその冥福を祈るのであった。

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