白日鬼

解説

「F・P一号応答なし」のハンス・アルバースが主演するウファ社ブルーノ・ドゥダイ・プロの映画で、「狂乱のモンテカルロ」「拳闘王」に出演したクルト・ゲロンが監督に当ったもの。「黒騎士」のフイリップ・ロタール・マイリングとフリードリッヒ・ツェッケンドルフの台本、「カイロの結婚」のカール・ホフマンの撮影で、助演者は、「モナ・リザの失踪」のトゥルウデ・フオン・モロー、「月世界の女」のゲルダ・マウルスを始め、ドイツ映画の古顔ルチー・ヘーリッヒ、アルフレッド・アベル、「F・P一号応答なし」のペーター・ローレ、「私と女王様」のヒューバート・フォン・マイヤーリンク、ラウール・アスラン等である。

1932年製作/ドイツ
原題または英題:Der Weisse Daemon

ストーリー

永い南米生活から、故郷のハムブルグへ帰って来たハイニは、母の待つ我家へ着いて見ると、妹のゲルダはハムブルグの劇壇のスターになっていた。が同時にゲルダが恐るべきコカイン中毒者になっている事を知った。禁制のコカイン! 誰がそれを密輸入し売りさばくのか? 妹を救うために、ハイニはその劇場を訪れて一座の人々と近ずきになった。ゲルダの同僚である美しいドラ・リンドの口から先ず、秘密の一端を聴いた。劇壇のマネジャーは、ゲルダに必要なコカインを与えようとしないので、舞台上で中毒を起して、ぶっ倒れることもあった。更にこの劇壇に出入りする、腰の曲がった怪しい商人がいる。こいつは唯物でないと、ハイニは睨んだ。しかもこの男はハイニと同船した男ではないか。ハイニの挑戦を感付いた密輸入者達は妹を連れ出して、パリへ監禁してしまった。この悪計をドラ・リンドの知らせで知った彼は、あくまで妹を救おうと、一味の後を追って行く、パリからリスボーンへ。そこで、密輸入者一味の仲間割れから、例の腰の曲がった怪商人は密告されて官憲に逮捕された。だがこの怪商人は密輸入団の主領を知らなかった。劇団のマネジャーこそ怪しい。そうだ、逮捕に急行した警官隊は既に死体となったマネジャーを発見しただけだった。けれど、手懸りがあった。黒幕の主領は今、リスボーンの港から水上飛行機で出発しようとしているのだ。ハイニは、美しいドラの恋を得たけれど、この怪人物の正体を暴かなければならない。水面から飛び上ろうとする飛行機にモーターボートから飛び移ったハイニはそこに意外の犯人を見た。

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