巴里裸八景
解説
「酋長の妻」「征服されし人々」をかつてものし、また俳優としても声名あるアンリ・ルーセル氏が原作監督した映画で、主役は「大統領」のシュジ・ヴェルノン嬢が演じ、ダニエル・パローラ嬢、「金」のテステル・キス嬢、フェルナン・ファーブル氏、シリル・ド・ラムゼイ氏、ジャンヌ・マリー・ローラン夫人ジャンヌ・ブランドー夫人が助演している。(無声)
1929年製作/フランス
原題または英題:Paris Girls
ストーリー
パリでも名門の誉れ高いドゥ・リオン男爵家にはロベールという息子とジゼルという年頃の娘とがあった。男爵家には夫人の母に当たる侯爵未亡人が孤児の孫娘ペギイとともに寄寓していた。老侯爵夫人は嘗ては歌劇の明星と謳われた人で、ペギイは其の血を享けて快活な芸事の好きな処女だった。しかし家名を重んずる男爵夫妻はペギイに対しても厳格であった。ペギイはジゼルと同じ年輩だった。ロベールはペギイの味方で、若い二人はいつか恋に似た心持ちを抱くようになった。がペギイは祖母のように舞踏を以て世に立ちたいという華やかな希望があったので或夜秘かに男爵邸を出奔した。それから数年後ニューヨークを出帆した大西洋航路の一客船にペギイが率いる「パリ・ガールズ」レヴュウ団が乗込んでいた。同じ船には男爵となっているロベール、米国富豪のウッドと其の息子ビリー等が乗り合せていた。レヴュウ団は船上で海水浴レヴュウを公演し、ロベールとペギイとは久し振りに再会した。かくて二人はパリへ帰って結婚した。幸福な一年、ロベールは妹ジゼルがジャック・ドゥ・モンクレエルと結婚して以来奢侈放逸に流れるため借金を負った。ペギイが家庭の人となった後レヴュウ団を経営しているエディスはロベールに横恋慕して彼を自分のものにしようと企らんだ。エディスはビリー・ウッドがジゼルに恋しているのを奇貨とし、ジャックの留守にビリーをジゼルのヨットに遣わし、ジャックとロベールとにジゼルやペギイを中傷した手紙を送った。ジャックとロベールとがヨットへ向かった頃、ビリーとジゼルとは争いを始めたので隣室にいたペギイが仲裁に入ると一同が到着した。ジゼルのためにビリーを自分の部屋に匿したペギイは図らずも良人ロベールから疑われた。ペギイは名誉も家庭も棄てて再びレヴュウ団へ返咲いた。彼女の出し物は「女剣客レヴュウ」で、舞台に於いてペギイは腹黒いエディスと剣の決闘をして相手を倒した。一方ジゼルは兄のロベールにヨット事件の真相を打明けたので、初めてペギイの純潔を知ったロベールはペギイの許に謝罪と愛とに赴いた。
スタッフ・キャスト
- 監督
- アンリ・ルーセル
- 原作
- アンリ・ルーセル
- 撮影
- オーブールディエ
- 美術
- T. Colombier