遊覧船「よしわら」号

解説

ドイツ一流の探偵小説家パウル・ローゼンハイン氏の原作からハンス・ラモー氏が脚色したものを「春の目覚め」のフレック兄弟が監督した。主演者は「メトロポリス」「妖花アラウネ(1927)」のブリギッテ・ヘルム嬢、リナ・マルサ嬢、ジョン・スチュアート氏、他にアルフレッド・ゲラッシュ氏、ヒューゴー・ワーナー・カール氏が助演している。撮影は「どん底」のカール・ドリュウズ氏が担当。(無声)

1928年製作/ドイツ
原題または英題:Pleasure Boat Yoshiwara Yacht der sieben Sunden

ストーリー

船問屋のロバートは自分の持船「よしわら」号という遊覧船に大都会のホテルにも負けないあらゆる華美を尽くした設備をして世界一周をやろうという計画を発表した。遊覧船に乗り込むのは主に著名な芸術家や富豪連であったが中にはこの機会を利用してしばらく警察の眼を逃れていようという悪漢達もいた。船が出ようという間際にロバートの支配人マーチニが事務所で不思議な死に方をした。嫌疑は彼と共にいた人々、踊り子のマーファと若い脚本家キリアンにかけられた。キリアンは自分の婚約者のレオニイという唄い手をマーチニがロバートに世話しようと無理矢理に遊覧船に乗せる契約をさせてしまったので、その事から烈しい喧嘩をマーチニとしたことがあった。こうしてキリアンは警察から睨まれてしまったので「よしわら」号に乗り込む他に仕方がなくなる。マーファとレオニイも船に乗った。船は出帆した。いよいよ航海が始まると悪漢達は次第に生地を出し始める。マーファはキリアンを恋していた。そのため悪漢共の跳梁とは別にマーファとキリアン、レオニイとロバートとの間に情熱的な劇的シーンが展開される。しかしそれが高潮に達しようとした時、警察の偵察船は遊覧船を襲う。悪漢は一掃されマーチニを殺した真犯人は逮捕された。ロバートは旧悪露見して獄に下る。キリアンは青天白日の身となって再びレオニイと結ばれる。そして二人は楽しく我家への旅路についた。

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