ふもと

解説

1923年にレオン・ポアリエ氏が、その前作品「ジョスラン」の成功を受けて再びラマルティーヌのものを映画化した作品である。ポアリエ氏の作品ではかつて同じくゴーモン時代の作品たる「翡翠の箱」が我国にも紹介せられている。主役はポアリエ氏の秘蔵子で「翡翠の箱」にも出演したL・ミールガ嬢で、これを助けて「巴里」出演のドリー・デイヴィス嬢、トミー・ブールデル氏、ピエール・エロア氏などが出演している。無声。

1923年製作/フランス
原題:Genevieve

ストーリー

ジュヌヴィエーヴは雪深いアルプス山麓の村に妹と母と三人で暮していた。ある年の早春、母は病でこの世を去った。その後、ジュヌヴィエーヴは隣村の若者シプリアンと恋し合い、二人は婚約の式まで挙げたが、いざ二人が結婚するとなれば幼い妹の身の振り方に窮する事を思い、折角結んだ婚約をもジュヌヴィエーヴは我から取り消してしまった。それから寂しいけれども静かな十年の月日が過ぎた。ある日この村に軍隊が来た。負傷した兵士セプティームは姉妹の家に厄介になった。この兵士の傷が癒える頃には、彼は妹のジョゼットと恋を語る間柄となっていた。軍隊が村を去って後、セプティーム死去の報が来た。ジュヌヴィエーヴは妹が妊娠しているのを知った。村人の非難を慮りジュヌヴィエーヴは妹の子を尼寺に棄てた。が、その心使いも無駄に、妹は発狂して世を去った。それから妹の罪を身に引き受けた為にジュヌヴィエーヴは獄に投ぜられた。出獄後、彼女は妹の子を捜したが見付からなかった。彼女には行くべき家はなかった。それから六年の流浪の生活があった。彼女は、計らずしてシプリアンの家へ、迫り来る冬の寒さを脱れて、その納屋へ隠れ家を求めた。既にシプリアンには妻もあり子もあった。が、彼は昔の恋人の惨めな生活を哀れと思った。そして彼は家族の者と共にジュヌヴィエーヴを己が家に引取って家政婦として使ってやった。彼女には僅かながら和らぎの生活がめぐり来った。が、それも長くは続かなかった。やがて総ての人々は相次いで彼女の傍から死に去り、再び彼女は全く孤独の己れを淋しく守り続けて行くのである。

全文を読む(ネタバレを含む場合あり)

スタッフ・キャスト

全てのスタッフ・キャストを見る

関連ニュース

関連ニュースをもっと読む

映画レビュー

映画レビュー募集中!

この作品にレビューはまだ投稿されていません。
皆さまのレビューをお待ちしています。
みんなに感想を伝えましょう!

レビューを書く