ペェター・セルギー

解説

この映画は1917年にロシアで作られたものである。字幕にはベルリン・ビッキンガァ映画とか記してあるが、それはこの映画会社社長のエルモリエフ氏がロシアを逃れフランスに渡った後、一時エルモリエフ映画をドイツに売り広めに行った事がある。多分その時にでもビッキンガァ社の手に移ったのではあるまいか。それからも一つ。題名「ペェター・セルギー」もひどい間違いである。パアテル・セルギウスのパアテルをペェターと読み直して人名としたなど滑稽である。この小説は既に森鴎外氏の訳で『パアテル・セルギウス』として訳出さえされているのに。1917年にロシアで作られたこの映画にはバストはある。が大写はない。無声。

1917年製作/ロシア
原題または英題:Pater Sergius

ストーリー

青年士官カサツキイ公爵がその婚約者コロトコワ伯爵令嬢がニコラス一世の寵妾であった事を知って以来、世を捨て僧となったものの常に色欲に悩まされ時には指を断って誘惑を脱れさえもしたが、遂にその道心さえも知的障害者の女にくつがえされては神父セルギイの栄位を棄てて巡礼の身となり、やがてはシベリヤに流し人と成り果てて始めて心の和らぎを得るに至る迄を描きしもの。

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