ラ・バタイユ

解説

ファレール氏の『ラ・バタイユ』を映画化したものだが、原作では不貞な妻であるミツ子を飽くまでも夫に忠実な妻とするなど、原作とはだいぶ異なっている。日本海海戦の場面では、フランス地中海艦隊が特に参加したという。出演は、早川雪洲氏、青木鶴子嬢、フランス映画界の名花ジナ・パレルム嬢、フェリクス・フォード氏。『ラ・バタイユ』はピエール・フロンデエ氏が脚色してかつてF・ジェミエ氏によってアントワーヌ座に上演せられた事もある。それから日本で公開せられているこの映画は小谷ヘンリイ氏が全部エディット仕直したものである。無声。

1923年製作/フランス
原題または英題:La Bataille

ストーリー

ヨリサカ侯爵はパリに於ける重大なる使命を果たして長崎に帰って来た時に彼を驚かすものが彼を待っていた。万事洋風を則ったなら夫が喜ぶであろうからと云うホックリイ夫人の言葉によって様式にと心懸けている妻のミツ子がそれである。更に妻の新しき魅力に心惹かれて近づくイギリス海軍士官フェアガンを観ては彼の心は悶えた。しかしイギリスの海上に於ける覇者たる事の秘密を彼の口から知ろうとした。日本海大海戦の日は来た。副官たりし彼は敵弾に傷ついた。傍らにフェアガンを見た時、傷ついた彼は言った。「俺に代わって指揮をしてくれ。君は俺にそれをしなければならぬ義務がある。」義務。フェアガンは指揮をした。そして弾に当たってたおれた。海戦は勝った。祖国の勝利だ。しかし貴き犠牲。ヨリサカ侯爵は妻ミツ子の許まで運ばれて息を引き取った。その後、ミツ子は余生を尼として送ったのである。

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