死人島

解説

「カラマーゾフ兄弟」「白痴(1921)」等の監督者として有名なカール・フレーリッヒ氏が原作監督したデクラ・ビオスコープ映画で、「白痴(1921)」で良い腕を見せたワルター・ヤンセン氏や「カラマーゾフ兄弟」「世界に鳴る女」等のベルンハルト・ゲツケ氏や「岡寺の観音」で観音様に扮し「カリガリ博士」にも出演したリル・ダゴファー嬢等、なかなか腕利きの俳優が揃って居る。複雑した恋愛関係から起こる親子二代に渉った語りである。無声。

1921年製作/ドイツ
原題または英題:The Isle of Death

ストーリー

デゥボア教授の助手シャンタールは教授の妾ローズと相愛の仲であったが主人に対する良心の呵責に堪えず、二人は断然関係を絶つ。其の後悶々として楽しまぬシャンタールは或未亡人と其の娘アリスと知り合いとなり深くアリスを恋した。アリスにはしかし他にゲオルヒという恋人があったが一日アリスは彼と海上に舟を浮かべて共に自殺を計った。ゲオルヒは死んだが彼女は一人の漁夫に助けられた。其の後母の意に反し兼ねてアリスはシャンタールと結婚し一女ヤンネを生んだ。一方デゥボア教授の妾ローズは一男ヘンリーを残して死んだが、実はヘンリーは教授の子でなくシャンタールの子であった。教授が図らずもヘンリーを伴いシャンタール夫妻を訪れた時、教授の子ヘンリーがシャンタールに酷似して居る事を彼の妻アリスは夫に責めた。シャンタールは遂に昔のローズとの関係を打ち明けたが、アリスもまた彼と結婚前、恋人があり未だに死んだ彼を忘れ兼ねて居たが、夫に対する貞操感の負債は此れで相殺された事を思い遺書を残して、嘗てゲオルヒが埋められた『死人島』を慕い死ぬ。かつてゲオルヒを葬った漁夫は彼女の死体をその島に運び昔の恋人の傍に埋める。20年は経過した。デゥボア教授は死し、ヘンリーはシャンタール家に呼寄せられ立派な青年となって居た。アリスの遺女ヤンネも美しい娘となり、二人は今は恋仲となったのである。実は二人の父であるシャンタールは之を知って独り愕き心ならずもヘンリーを放逐する。ヤンネは父に其許容を嘆願したが、父から恐るべき事実、即ちヘンリーと兄妹である事を聞かせれ、狂えるが如く恋人にも其の事実を告げて死を求めて去る。ヘンリーも彼女を追った。彼を止めんとして、ふと亡妻アリスの遺書を見たシャンタールは始めてヤンネが己れの子でなく亡妻の恋人ゲオルヒの子であるを知り驚愕の余り倒れてしまった。ヤンネが海岸に最後の祈りをして居るのを発見したヘンリーは彼女の背後に老漁夫が居る事に気付いた。老漁夫は若い二人に今は死人島に眠るヤンネの母アリスに就いての秘密を物語った。此処に始めて二人は結婚し得る間柄である事を知った。

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