沙漠の掟

解説

飢餓のどん底に陥った時一塊のパンを貪り合うあさましい人間の生に対する執着心や、又真に美しい親子の愛情の温さを簡単ながらも手際よく織り込ませた沙漠の物語。「カラマーゾフ兄弟」出演の主役ベルンハルト・ゲツケ氏は復讐の権化としてあたかも悪魔の呪いの如き凄い演出を見せている。無声。

ドイツ
原題または英題：The Law of the Desert

ストーリー

ヒウベルト・トレントとジョン・リッドンとアストン・トレント及びその息子四人は南米のある砂漠に迷い入り、糧食を失い死を待つの運命となる。トレント及びリッドンは困憊の果、ロムニーが息子の為に用意した最後の一塊のパンを奪わんとして息子を殺してしまう。やがて彼等が砂漠横断者の一隊に救われてから長い年月を経て後、ロムニーは怨ある二人に対して復讐の手を延した。精神的に種々なる恐怖を彼等に与え、遂にトレントを自殺せしめる。リッドンはロムニーを毒殺せんとし杯に毒を盛る。ロムニーが知らずにそれを仰がんとする時、リッドンの娘のメーに助けられる。ロムニーはメーの恩に感じてリッドンに対する復讐の念を断ち、彼等から一人遠く離れてしまう。