波止場の弾痕

劇場公開日:

解説

イーリングのマイケル・バルコンがセミ・ドキュメンタリ的手法でロンドンを描く一九五一年度作品で、「兇弾」と同じくバジル・ディアデンが監督、ゴードン・ダインズが撮影を担当する。脚本はジャック・ウィッテンガム(我が心は君に)とドキュメンタリ監督出身のジョン・エルドリッジの協同である。音楽はジョン・アディソン。出演は「天国への階段」のボナー・コリアーノ、「ヘンリー五世(1945)」のルネ・アシャーソン、「夜霧の都」のスーザン・ショウ、「愛の物語」のモイラ・リスター、黒人俳優アール・キャメロン、「乱闘街」のジョーン・ダウリング、「ヘンリー五世(1945)」のマックス・エイドリアンら。

1951年製作/イギリス
原題または英題:Pool of London
配給:NCC
劇場公開日:1952年8月29日

ストーリー

金曜日。ロンドンのプウル(テームズ河のロンドン橋より下流)に、貨物船ダンバー号が入港した。船員のダン(B・コリーノ)は根は善良ながら少々の悪事は平気な男で、麻薬入りの煙草を軽業師のヴァーノン(M・エイドリアン)に売りに行って、船へ品物を持込んでロッテルダムまで届ければ百ポンドやるともちかけられた。ダンの親友黒人のジョニー(E・キャメロン)はこの時寄席の切符売り娘パット(S・ショウ)と知り合い、二人はほのかな親しみを感じた。翌土曜、ダンは情婦メイジイ(M・リスタア)にやる筈のストッキングを税関吏に押えられ、このため女は大いに憤慨して去ってしまったので、彼は反動的に友人の恋人サリイ(R・アシャスン)に近ずき、激情の夜をすごした。一方ジョニイはこの日もパットに逢うことが出来、二人は翌日のデートを約した。さて出航の日曜、ヴァーノン一味は貿易商を襲ってダイアモンドを盗み出し、何も知らぬダンに渡した。ダンは事件を知って怖気を振ったがメイジイにそそのかされて、ジョニイに船へ持ちこむよう頼んだ。官憲の手は意外に早くまわり、船は出航を翌朝に延期して閉鎖された。ダンはジョニイを救うため、その日一日パットとロンドン見物に別れを惜しんだこの黒人を探しに街へもどり、サリイに自首をすすめられながら、逃げまわるうちヴァーノンらに発見されてテームズの中へ射ち落されてしまった。ヴァーノンらは警官に射殺され、ジョニイはパットと別れた失意の裡にバーで酔いつぶれて一夜をすごした。翌月曜、ダンは這い上った帆船が出航して危地を逃れたが、しかし彼は結局ジョニイを裏切るに忍びず、再びテームズに飛込んで重傷の身をダンバー号のある岩壁へ戻った。丁度船へ駈け戻ったジョニイからダイアをとりあげたダンは、素直に警官の縄を受け、船は、はじめて真相を知ったジョニイらをのせて出港して行った。サリイは、ダンをいつまでも待ちつづける気で、彼の捕縛の報をきいたのであった。

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