恋びと(1968)

劇場公開日:

解説

ジャン・ルイ・トランティニャンの夫人ナディーヌ・トランティニャンが自らの脚本で監督したデビュー作。撮影は「男性・女性」のウィリー・クラント、音楽は「白い恋人たち」のフランシス・レイが担当した。出演はジャン・ルイ・トランティニャン、「輪舞(1964)」「男と女(1966)」に顔をみせていたヴァレリー・ラグランジュ、「めざめ」「黄金の眼」のミシェル・ピッコリ、「風もひとりぼっち」「ペルーの鳥」のジャン・ピエール・カルフォンのほかに、トランティニャンの娘が、彼の姪の役で出演している。製作はアンドレ・ジェノーヴェ。イーストマンカラー、フランスコープ。

1968年製作/フランス
原題または英題:Mon Amour Mon Amour
配給:NCC
劇場公開日:1969年2月28日

ストーリー

バンサン(J・L・トランティニャン)とアガト(V・ラグランジュ)の関係は長い。もう三、四年になるだろう。バンサンは建築家でニースに住んでいる。そしてパリに住むアガトは週末には必ず彼のもとを訪れ、愛の時間をすごす。ある週末のこと。会いに来たアガトの様子が少しおかしい。彼女は妊娠してしまったのである。彼に打ちあけたい気持もある。だが同時に、打ちあけることによって、二人の愛が破滅しないだろうか?それまでのように、陽気で自由な二人でいられるだろうか?アガトは迷い、そして悩んだ。だが、そんな彼女の気持など、まるで察せぬかの如く、南仏の太陽は明るかった。そんな時、マリルという娘が現われた。彼女はバンサンに対する好意を、かくそうとしない。陽気な二人。アガトは何も言わずにパリに帰っていった。だがバンサンは気づいた。彼女が何か隠していることを。それが、何であるかは、わからなかったけれど……。パリにもどったアガトは、親友にも会わず、ひとり部屋にこもっていた。一方、バンサンはマリルとのつきあいを重ね、関係を持った。だが、これは彼にとっては、ほんの息抜き。こんなことでアガトへの愛が変るわけはない。しかし、このバンサンの気持がアガトには通じなかった。彼女は流産し、自分は、この世で、ひとりぼっちだとさえ思う。そして、バンサンへの想いはつのるばかり。思いきって電話をかけてみた。電話口で、バンサンは言う。“僕は何も隠しごどはしなかったよ”と。彼の変らぬ愛の言葉だった。アガトは再び、もとの元気なパリジェンヌにもどっていった。そしてある日、彼から電報が来た、ニースで会いたい、と。二人は、かつてのような、幸福な生活を、ふたたび取りもどそうと試みるだろう。南仏の太陽の下に、二人の愛があるに違いないと……。

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