雨あがりの天使

劇場公開日:

解説

もとバレエ・ダンサー及び振付師であり、「ブラック・タイツ」でジジ・ジャンメールの相手役をつとめたこともあるダーク・サンダースが脚本を書き、自ら監督した長篇映画の第一作。台詞をポール・ソレーズ、撮影をロジェ・デュクロ、音楽をジャック・ルーシェ、衣裳デザインをピエール・カルダンが、それぞれ担当している。出演は、サンダース夫人のカレン・ブランゲルノン、ブランゲルノンの娘のレスリー・ベドス、フレデリック・ド・パスカルなど。

1968年製作/フランス
原題または英題:Tu Seras Terriblement Gentille
配給:東和
劇場公開日:1968年10月12日

ストーリー

夫パトリス(F・D・パスカル)が、一流カメラマンをめざしてリヨンを出てから、もう三年になる。パトリスの気持をさっし、笑顔で送り出しはしたが、娘ジュリー(L・ベドス)との二人暮しに、クララ(K・ブランゲル)の心はくもりがちだった。夫のいるパリに出ようと、クララは決心した。クララとジュリーがパリについたとき、駅まで迎えに来ているはずのパトリスは姿をあらわさなかった。パトリスにした電話口に女の声が出てきた。クララの心にやどっていた黒い影は濃くなるばかりだった。翌日、親子三人は一緒に食事した。が、パトリスはテレビ局で働いているとのことだが、それも満足ではないらしく、クララは、自らの力で何とか生きなければと決心しながらも、やはり淋しかった。そんな母親の心をひきたてるかのように、ジュリーは明るく、はしゃいでみせた。知人の紹介でクララはデパート勤めをはじめジュリーは学校にかよった。そしてある日、突然クララに幸運がめぐってきた。“売り子コンテスト”に出場、優勝したのである。売り子からファッション・モデルへとクララは転身し、多忙なそしてはなやかな毎日となった。が彼女は満されなかった。その理由をクララ自身よく知ってはいるのだが、といって、パトリスに会いに行くこともためらわれるのだった。クララのいらだちをジュリーはその幼い心で精いっばいうけとめていた。いつか母と娘は友だちのように、時には娘が母の保護者になることもある、といった関係にかわっていった。一方ジュリーは学校の行き帰り、よく父親と街であった。そしてある日、それをクララに話した、クララの気持は乱れた。思い切って電話をしてみたが、パトリスはすでに引越した後だった。パトリスは、その頃国営放送局に働くうち、認められて、テレビのディレクターとなっていた。ジュリーも連れて、アメリカに撮影旅行に出かけるという前日、クララは、ジュリーの手びきでパトリスに会った。久しぶりの出会い、会話はギコチなかった。が二人の間には、もう何の障害もなかった。クララは夫のやさしい抱擁に身をまかせた。翌日クララとジュリーの出発を見送るパトリスの姿があった。

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