アフリカ最後の残酷

劇場公開日:

解説

新鋭スタニス・ニエボが製作・監督し、「さらばアフリカ」などでガルティエロ・ヤコペッティと永年コンビを組んできたアントニオ・クリマティが撮影した、ドキュメンタリー。音楽は、リズ・オルトラーニが担当している。テクニカラー、テクニスコープ。

1967年製作/イタリア
原題または英題:Mal D'Africa
配給:日本ヘラルド映画
劇場公開日:1968年9月18日

ストーリー

○黒人の銃殺--アフリカは今は植民地ではないが、白人たちがいまだに権力をにぎっている。彼らは、黒人の自由と独立を求める精神を、銃殺刑により、亡すことができると信じている。今日もまた、残酷な銃声が轟く。○アフリカを追われる白人--アルジェリアの独立以来、アフリカから故国に帰る白人の群がめだっている。○ギル・ギル地方のホーム・メイド革命--数年前ケニアのギル・ギル地方で、軍隊が不服従運動を起し、政府は外国の部隊を借りて鎮圧した。ホウチョウ、手オノなどが武器に使われ、ホーム・メイド革命とよばれている。○コンゴ政府の反乱軍--フランスのジャン・シュラム大佐麾下の部隊が、キサンガニ空港占領作戦に従事し、すさまじい流血の惨事がくりかえされている。○戦争プロフェッショナル--イギリス人、フランス人、イタリア人、それにナチスの生き残りや黒人まで集めた傭兵は、主義思想もなく、ただ金のためにのみ闘う。○黒いアフリカの復活か--タンザニアに黒人大統領ニエレレが誕生。白人にとっては、恐怖の復活である。○ケニアの指導者ケニヤッタ--白人と黒人の手を結ばせようとするケニヤッタは、アフリカの暁を告げるオンドリといわれる。○黒い選挙投票--ケニアの選挙民の八〇パーセントは文字を知らないので、誰かが投票所の入口で字を教える。○熱帯のクリスマス--黒人もキリストの降誕を祝い、銅貨と塩を牧師からさずかる。○リズムに乗って働く--黒人は音楽が好きだ。音楽にあわせて労働し、助けあい、愛しあう。○チョンベの生涯--コンゴの独立をはかり国外に亡命し、昨年ついに逮捕されたチョンベの生涯は、アフリカの病状をはかる体温計だ。○アフリカの病原菌の鉱山--ダイヤ、ウラニュームなどアフリカの地下資源ははかり知れない。この豊富な宝庫をめぐって、白人が争奪戦をくりかえす限り、アフリカに平和はない。○外国人部隊の秘密取引--コンゴの首都キンシャサのメムリング・ホテルの一室で、傭兵を志願する白人とコンゴ軍隊との間に秘密契約が結ばれる。○秘密結社OASの隠れ家--祖国フランスのために植民地は絶対必要とさけぶOASの隠れ家と、首謀者の姿をはじめてカメラにとらえた。○地下の黒幕--アフリカの政治を演出している黒幕やスパイたち。その一人で、もっとも完全な情報網をにぎっているオットー・スコルツェニーは危険人物である。○武器を買いとる地下組織--アフリカに四○以上もある秘密の地下組織は、各国から供給される銃や大砲を買いとる。○エリート黒人の優雅な生活--三億のアフリカ人のうちのほんの一部は、アメリカ人なみの快適な文化生活を営んでいる。○ヨハネスバーグのソビエト集落--マッチ箱のような小住宅が整然と並ぶ黒人集落は、ソ連の集団農場を思わせるためか、ソビエト集落と呼ばれている。○悲劇の鳥・ダチョウ--アフリカが動物の楽園であったのは昔のこと。ダチョウは、生きているうちはレースやショウでこき使われ、死後は食用とされる。○世界でいちばん大きな黒板--象の巨体を黒板がわりにして、先生は数字の手ほどきをおこなう。○象の内臓にもぐりこむ--象の腹部を切り裂き、内臓にもぐりこみ、胃袋や臓物などをひき出すピグミー族。かれらは象の肉を食糧にする。○キリンとサイの移住--ジャングルが農地にかえられていった結果、野獣を移住し一ヵ所に放し飼いにする方針がとられた。○象の墓場--ガラナ川の岸近くに象牙をねらった密猟者たちがワナをしかけて大量殺りくをおこなったあとがある。○パリの黒人マッサージ師--パリは黒人ブーム。いたるところで黒い肌がはばを利かせている。○黒人ストリップ学校--パリで元ストリッパーの白人が、若い黒人娘たちに脱ぎ方をおしえる。○最新モードをアフリカに輸入--黒人たちも最新流行のルックは好きだ。アフリカ奥地に出張した、ヨーロッパのファッション・ショウ。○神秘的なブラック・マジック--観光客のもっともみたがる呪術や魔術。いまや魔術師もパートタイム化し、日曜ごとに魔術大会が開かれる。○黒い血液が死を誘う--石油は新しいアフリカの重要な資源だが、それによって魚や紅ヅルが死ぬ。○捕虜の結婚式--アンゴラの反乱軍は捕虜になっても、収容所で結婚式を行なうことができる。○キテックスのその後--何ヵ月か前に、白人と黒人が最後の一人まで殺しあった砂漠の町キテックスは今はライオンが住むばかりである。○象と男の友情--一人の男が象を禁猟区からおびき出し、外国のハンターに売り渡そうと、象のあとをつけているうちに、両者の間にはいつしか友情が生まれ、男は象をおびき出すのをあきらめた。これがアフリカの自然のなかの本来の生活である。

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