苦い報酬

劇場公開日:

解説

パトリック・ハミルトンの原作「空の下の二千の街」をテッド・ウィリスが脚色、ピーター・グラハム・スコットが監督した社会風俗ドラマ。アーネスト・スチュワードが撮影を、ローリー・ジョンソンが音楽を担当した。出演者は「南海漂流」のジャネット・マンロー、テレビ俳優アラン・バデル、「ビスマルク号を撃沈せよ!」のジョン・ストライド、ほかにアン・カニンガム、ノーマン・バード等。

1959年製作/イギリス
原題または英題:Bitter Harvest
配給:日本RKO
劇場公開日:1964年2月27日

ストーリー

ジェニー(ジャネット・マンロー)は都会の生活に憧れ、貧乏な生活から逃れたかった。或る日、友達と町を歩いていて、二人の男から誘われるままにバーで飲んだ。酔いつぶれた彼女が気づいたのはあるアパートのベッドの中で、ロンドンに来ていることを知った。大都会の真中に放り出され、途方に暮れて泣いていたのを救ったのはボブ(ジョン・ストライド)だった。彼女はボブの同情を得るために妊娠していると偽わり、彼の愛情をかきたてて、身を任せた。同じアパートに住む俳優が、彼女の憧れていた女優になれると言葉巧みに誘った。ボブはその俳優の言うパーティに行くことに嫉妬しながらも貯金をはたいてドレスを買ってやった。乱痴気騒ぎのパーティでジェニーに目をつけた興行師のカール(アラン・バデル)は、翌日の夜彼の家に来るように言った。ジェニーはボブの愛情を無視して、またとないチャンスを信じて、カールの許へ走った。ジェニーは今やカールの所有物にすぎない。彼女は欲望を充たす衣裳も贅沢も手に入れたが、そこにある虚ろな淋しさの苦い報酬を味わった。彼女は、その孤独と虚飾に耐えられず、酒に溺れ、狂ったように暴れた。仕事を終えたボブと、彼を秘かに愛していた同じ酒場に働くエラが肩を寄せあって帰って行く傍を一台の救急車が通り過ぎた。それは、自殺したジェニーのためのものだった。

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