日曜には埋葬しない
劇場公開日:1961年4月25日
解説
ヌーヴェル・ヴァーグの新人監督ミシェル・ドラックの長編処女作。フレッド・カサックの推理小説大賞を受けた原作をドラック自身が脚色、エリック・オリビアとドラックが台詞を書いている。撮影はジャン・トゥルニエ。音楽担当はエリック・ディクソン。出演するのはフィリップ・モリイ、クリスティーナ・ベンツ、エラ・ペトリ、アルベール・ジルウ、マルセル・キュブリェ、ロベール・ロリオ、フレデリック・オブラディなど。なおこの作品は一九六〇年のルイ・デリュック賞を受けている。
1960年製作/フランス
原題または英題:On N'enterre pas le Dimanche
配給:東和
劇場公開日:1961年4月25日
ストーリー
「ブーロニュの森で死体発見、犯行は八カ月前か?」とパリの新聞が殺人事件を報じた。警察は被害者の著作周旋業者クルタレス(アルベール・ジルウ)と関係があった二十三歳の黒人青年フィリップ(フィリップ・モリイ)を召喚した。フィリップは被害者と知り合った経緯を語った。--マルティニック島生れのフィリップは美術館の案内係や酒の街頭宣伝をアルバイトとしながら学業をつづける弧独な青年だった。ある日スエーデン娘マルガレータ(クリスティーナ・ベンツ)と知り合った。二人は強くひかれ合った。作家志望のフィリップはその喜びを処女小説「日曜には埋葬しない」にぶつけた。マルガレータは一たん故国に帰ったが、再びフランス語の勉強にパリへ来た。フィリップは彼女を著作周旋を業とするクルタレスの家に住み込ませてやった。そしてこれを機会に彼の処女作もクルタレスの目に止まり、大巾に改変されたが出版されることになった。つづいて第二作にかかった。が、筆は進まず、思いはマルガレータに走るばかり。ある日、クルタレス夫人(エラ・ペトリ)からの電話で、マルガレータと夫のクルタレスとが怪しいと聞かされた。日曜日、マルガレータをクルタレス家に訪ねると夫人が一人いた。酒をすすめられて誘惑されたフィリップは夫人と関係をもった。自責の念にかられた彼はマルガレータにこのことを打ち明けた。マルガレータは泣きながら許した。しかし、フィリップと妻の関係を知ったクルタレスはフィリップ殺害を企て彼を鳩射ちに誘った。若いフィリップは逆にクルタレスを殴り殺し、自宅へ帰った--警察はフィリップを犯人と睨んだが証拠がない。取調室でフィリップも慎重に答えた。ふと、係官にかかる電話で彼は夫人が間もなく出産することを知って不安に駆られた。生まれる子供に黒人の血が混じっていれば自分に嫌疑がかかる。病院から電話が来た。生まれた子は白人、フィリップはほっとしたが、つぎの瞬間愕然とした。係官は出産したのはマルガレータだと言った。恋人をクルタレスに奪われた恨みから……係官は犯罪の動機をつかんだのだ。黒人青年は黒い淵に突き落とされた。