爪を磨く野獣
劇場公開日:1960年5月17日
解説
アメリカの小説家デイ・キーンの『夜の森』の映画化で、脱獄囚と若い未亡人の恋を描く。ミシェル・オーディアール、ロドルフ・モーリス・アルロー、ジョルジュ・タベの三人と、監督のピエール・シュナールが脚色した。シュナールは戦前「罪と罰(1935)」などで知られるベテラン。撮影は「両面の鏡」のクリスチャン・マトラ。音楽はモーリス・ジャル。出演は「女猫」のフランソワーズ・アルヌール、「女は一回勝負する」のアンリ・ヴィダルのほか、ミシェル・ピッコリら。
1958年製作/フランス
原題または英題:La Bete a L'affut
配給:中央映画社
劇場公開日:1960年5月17日
ストーリー
エリザベト・ヴェルモン(フランソワーズ・アルヌール)は若く美しいしかも富裕な未亡人である。クリスマスが訪れると、県知事だった亡き夫の友人である県のお歴々や夫人達が訪れて、慈善バザーを催した。ところが、バザーの売上げ金を持った公証人が何者かに襲われ、売上げ金と品物を盗まれた。次の夜、県の監獄から一人の囚人が看守と同室の囚人を殺して脱獄した。警察はこの二つの事件に関連ありと見て捜査を開始した。脱獄囚ダニエル・モラーヌ(アンリ・ヴィダル)は見つからぬも道理、エリザベトの家に逃げ込んでいた。追われ、傷ついた若い男を見て、彼女も彼が犯人であることは分った。しかし警察に知らせようとはせず、傷の手当てをした。青年の体も回復した頃、二人の間には恋が芽生えた。潔白を訴えるモラーヌの言葉を信じた彼女は、彼と共に逃亡の旅をする決心までした。二人はスペイン国境まで逃げのびた。しかしそこの燈台で、モラーヌは犯人の正体を現わした。あざむかれたと知った彼女のショックは大きかった。平静を取り戻した彼女は警察にモラーヌを脱獄囚として知らせた。警官に追いつめられるモラーヌの姿を見た彼女は、自分が真に彼を愛していたことを知った。必死に救おうと努力したが、すでに遅く、モラーヌは警官の放つ一撃に倒れた。エリザベトの胸から彼の面影が消える日はいつか。
スタッフ・キャスト
- 監督
- ピエール・シュナール
- 脚色
- ミシェル・オーディアール
- ロドルフ=モーリス・アルロー
- ジョルジュ・タベ
- ピエール・シュナール
- 原作
- デイ・キーン
- 製作
- クリスチャン・スタンジェル
- 撮影
- クリスチャン・マトラ
- 美術
- Rene Petit
- 音楽
- モーリス・ジャール