青い大きな海

劇場公開日:

解説

記録映画を数多く作っているジロ・ポンテコルヴォ監督の、日本初登場作品。「シャンソン・ド・パリ」のイヴ・モンタンを主演に、アドリア海周辺の漁師の生活が描かれる。フランコ・ソリナスの原作を、ソリナスとポンテコルヴォに、「第五戦線・遠い道」のエンニオ・デ・コンチーニの三人が共同で脚色し、撮影をマリオ・モントゥオーリが受けもっている。他に出演するのは、「さすらい(1957)」のアリダ・ヴァリ、新人フェデリカ・ランキ、ジャン・カルロ・サブローネ、ロナルディーノ等。アドリア海に面するユーゴの島にロケした、伊・仏・西独・スペイン・ユーゴ合作のかたちの作品である。製作マレノ・マレノッティ。フェラニアカラー・スーパースコープ。

1957年製作/イタリア・フランス・西ドイツ・スペイン・ユーゴスラビア合作
原題または英題:La Grande Strada azzurra
配給:東宝
劇場公開日:1959年6月9日

ストーリー

アドリア海に浮ぶ島々。漁師のスカルチョ(イヴ・モンタン)は、この島で生れ、幼い時から大きな船で大洋に乗り出し、豊かな生活をしたいと思っていた。彼は生活のために、法で禁じられているダイナマイトによる密漁をやっていた。そのために同じ漁師仲間から、白眼視されていた。しかし、スカルチョは仲間の邪魔をしないようにと、密漁はいつも湾外でやっていた。彼には愛妻ロゼッタ(アリダ・ヴァリ)と十六になる娘ディアナ(フェデリカ・ランキ)に二人の息子トニーノとボーレがいた。不況で島の石切場が閉鎖された。そのために、ディアナの恋人はダイナマイト密漁に手を出して死んだ。現場に居合せたスカルチョの親友で監視所長ガスパーレは、これが原因で辞職した。新任の監視所長はスカルチョの行動を、厳重に監視した。スカルチョは監視の目をくぐって、二人の男の子を使って密漁をつづけた。監視所では新式の監視艇を備えた。スカルチョも新しいモーターを現金で買った。漁師仲間では、スカルチョの親友サルバトーレ(フランシスコ・ラバル)を中心に、漁師の組合を作ろうとしていた。サルバトーレの弟レナートはディアナを愛した。またサルバトーレの父はスカルチョと密漁をしていたので、父子は義絶していた。ある日、スカルチョは警備艇に急襲され、自分の船を沈めて逃げた。船を失った彼は、湾内でダイナマイトを使い、仲間から袋だたきにされた。サルバトーレの父は、密漁に失敗して怪我をした。監視艇にみつかり、船は競売に附された。スカルチョはこの船をせり落し、沈めた船からエンジンを引上げてつけた。彼はサルバトーレの注意もきかずに、再び密漁を始めた。ロゼッタは夫の身を心配して、密漁をやめるように頼んだ。妻の願いで、スカルチョは最後の密漁に出かけた。砲弾から火薬を抜いている時、スカルチョは誤って信管を打ち、自分とトニーノが重傷を負った。スカルチョはボーレを励まして、トニーノを船で島まで連れて行くようにいった。そして、自分のような密漁をやらない、立派な漁師になれといった。船は去って行く。それをみつめるスカルチョの意識はしだいに薄れていった。

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