可愛い悪魔(1958)のレビュー・感想・評価
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ラスト数分、ジャン・ギャバンの名演。
1958(日本は1959)年公開、フランス映画。
122分。
【監督】:クロード・オータン=ララ
【脚本】:ジャン・オーランシュ、ピエール・ボスト
【原作】:ジョルジュ・シムノン〜『可愛い悪魔』
主な配役
【アンドレ・ゴビヨ】:ジャン・ギャバン
【イヴェット・モーデ】:ブリジッド・バルドー
【ヴィヴィアヌ・ゴビヨ】:エドヴィージュ・フィエール
【マゼッティ】:フランコ・インテルレンギ
【ジャニーヌ】:ニコル・ベルジェ
◆サスペンスとは感じないが。。。
『メグレ警部シリーズ』はじめ数多くの推理小説をのこしたジョルジュ・シムノンが原作者。
原作を読んでいないので、どれほど映画化に際してアレンジされたかわからないが、脚本はとてもよく出来ている。
まるで、ジャン・ギャバンとBB(べべ、ことブリジット・バルドー)のために描き下ろしたかのような作品。
さまざなサイトを見ると、
サスペンスあるいは、クライムサスペンスのカテゴリーに入れられている。
私はそう思わなかった。
◆秀逸な邦題
原題は、『En Cas de Malheur』。
直訳すると、「不幸の場合に」や「災難が起きた際に」のようになる。
だが、『可愛い悪魔』で良い。
昭和の邦題は、秀作が多い。
いまの説明的な興醒めタイトルとは違う。
◆ジャン・ギャバンが名優とされる所以
ジャン・ギャバンは、当時54歳。
ブリジット・バルドーは、24歳。
ちなみに、
家政婦役のニコル・ベルジェも24歳。
ゆえに、ライブ感というか、
リアリティが素晴らしい。
中でも、ラスト数分、
ジャン・ギャバンの放心した様子の演技は、
静かだが迫力すら感じた。
感動した。
◆弁護士とアバズレの道ならぬ恋
「恋」と呼んでいいのかもわからない。
たぶん、違う。
ジャン・ギャバンとBB以外の登場人物は
まともだ。
家政婦、秘書、妻、元カレ…
秘書相手に
「相手を苦しませないのが愛だ」
などと分かったような講釈をたれるが、
秘書は無表情に聞き流す。
◆まとめ
この手の映画(オトコとオンナの物語)は、
本作に代表されるような
モノクロ時代の作品を観れば十分だ。
ジャン・ギャバンはやはり名優だし、
ブリジット・バルドーは、当時の男たちを虜にしただろう。
☆4.0
二股 二重生活 二重基準
メグレ警視シリーズでも有名なジョルジュ・シムノンの小説が原作で
1958年の映画
重鎮の弁護士が時々売春もしているみたいな若い女の為に
裁判を不正操作して無罪にしてやり
愛人として囲ってしまった、その挙げ句…という話
切り札を見せたら、たいがいの男は陥落するだろうと
思わせる女イヴェットをバルドーが演じていて
やっぱり並ではない存在感を感じた
美形の野性味のある猫みたい
(そしてやっぱり可愛い)
弁護士宅の豪華なしつらえにも目をみはらされたりするが
その完成されたような美しい家は戦場と化して
反対に愛人の住居はグレードアップしてゆく
自国の王妃を断頭台に送った国の人々が
英国の女王の訪問とその歓迎セレモニーに心を踊らせている
そして一本気の苦学生は暴走してしまう
すべてを予期してるような、というか破滅に追いやってもいるような
弁護士妻(フィエール)も印象的
55~60点ぐらい。フィルム・ノワールっぽい。
ブリジット・バルドー レトロスペクティヴ BB生誕90年祭、にて鑑賞。
白黒、静かめ、薄味、昔の映画、と眠くなる要素オンパレードで、眠くなってウトウトしながら観ました。
深夜放送が似合う映画ですね(笑)
あとから知ったんだけど1958年の映画らしい…
前情報を入れずに観たため、最初はブリジット・バルドーを前面に出した、バルドーありきの半アイドル的な映画だろうと思ったら違ってた。
バルドーが演じているのは不良少女で、今まで思い描いてたセックス・シンボル的なイメージとは違い、正統に演技で勝負している感じで良かった。
バルドーはファム・ファタール的な女性を演じ、お相手のジャン・ギャバンは弁護士を演じてます。
フィルム・ノワールっぽい映画です。
序盤と最後の終わり方が良かった。
この終わりで、この作品が気に入った。
もう1回観たい♪
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