船の女

劇場公開日:

解説

英国貨物船を舞台に、海の男たちの恋の葛藤を描いた新人作家ウィリアム・ウッズの原作、『マヌエラ』の映画化。ウッズ自身が物語を脚色、「夜の訪問者」「イントルーダー」のガイ・ハミルトンが監督した。脚色にはハミルトンとこの映画のプロデューサー、アイヴァン・フォクスウェルが協力している。撮影監督はオットー・ヘラー、音楽はウィリアム・オルウィンが作曲、ミューア・マシーソン指揮下のシンフォニア・オブ・ロンドンが演奏した。主演は「八十日間世界一周」のトレヴァー・ハワード、「水田地帯」のイタリア女優、エルザ・マルティネッリ、「人間と狼」のペドロ・アルメンダリス。ほかにドナルド・プレゼンス、レスリー・ウェストン。

1957年製作/イギリス
原題または英題:Manuela
配給:東和
劇場公開日:1957年10月5日

ストーリー

小さな貨物船がブラジルのサン・ルイスに入港してきた。死んだ一等機関士の葬式のためだ。船長プレスロー(トレヴァー・ハワード)は若年からの船乗りで家庭の味を知らず、酒ばかり飲んでいる四十男。それを苦々しく思っているのは、牧師の資格を持つ一等運転士エヴァンス(ドナルド・プレゼンス)だ。一等機関士には火夫マリオ(ペドロ・アルメンダリス)が昇格する。彼は港の酒場で、英人と原住民とのハーフのマヌエラ(エルザ・マルティネッリ)に英国まで船で連れて行けと頼まれた。彼女を自分の部屋に隠し、その代償に肉体を要求していると、船長が見つけ、無人島へ二人を上陸させてしまうと宣告した。マヌエラはこの言葉を聞くと絶望して海へ飛びこんだ。救い上げて船長室へ連れて行き、話をきくと、彼女は父を亡くし、十七歳の時ブラジル人と結婚したが、三ヵ月で死別したあと、今まで夫の弟と暮してきたという。あやしい魅力を持つ一人前の女だ。プレスロー船長はマリオを許し、マヌエラと船室に閉じ篭り、生れて始めての愛の美酒に酔った。三日後、補助貯炭庫の古炭が自然発火したことを、エヴァンスが船長室に知らせにきた。が、プレスローは応急処置を命じただけで、調べに行こうとしなかった。少し開いたドアの向うに、マヌエラの裸の腕が見えた。火勢は強まり積み荷の綿に燃え移りかけた。船長が出てきた時はもう手遅れだった。全員退避。が、楽しかった三日間が再び来ぬと悟ったマヌエラは船を降りる気になれぬ。暴れる女をむりに乗せ、二隻のボートがこぎだして間もなく、船は爆発して水煙と共に沈んだ。船長とマヌエラは別々のボートに乗ってしまった。数日の恐しい漂流の後、プレスローのボートは救われ、彼とマリオは生き残った。エヴァンスは船長の罪を責めながら他の船員たちと共に死んだ。マヌエラのボートも小さな漁村に流れついた。彼女は船長が救助されたことを知り、彼の迎えを待った。そこへ、マリオが現れ船長の死を告げた。彼はマヌエラの英国行きの旅費を船長から託されていた。放心したようなマヌエラを残して出てくると、道ばたにプレスローが待っていた。彼は金を渡してくれたかと怒ったような声で確かめると、淋しげに一人立ち去って行った。

全文を読む(ネタバレを含む場合あり)

スタッフ・キャスト

全てのスタッフ・キャストを見る

映画レビュー

映画レビュー募集中!

この作品にレビューはまだ投稿されていません。
皆さまのレビューをお待ちしています。
みんなに感想を伝えましょう!

レビューを書く