青い潮

劇場公開日:

解説

ドイツの劇作家カール・ツックマイヤーの原作をフレデリック・グランデルとフランス系の新鋭監督ヴィクトル・ヴィカスが脚色、マリア・シェルの夫で「最後の橋」の助監督ホルスト・ヘヒラーが台詞を担当、同じくヴィカスが監督した。撮影は「令嬢ジュリー」のイエラン・ストリンドベルイ(文豪ストリンドベリイの甥)、音楽はハンス・マルティン・マイエフスキー。主演は「枯葉」のマリア・シェル、「追想」のイヴァン・デニ、舞台俳優のヴィルヘルム・ボルヘルトとオルガ・リンブルグなど。

1956年製作/オーストリア
原題または英題:Herr Uber Leben und Tod
配給:NCC=北欧映画
劇場公開日:1957年7月29日

ストーリー

霧深い或る夜、先を急ぐヴェルナー(ヴァルター・ブルーム)、バルバラ(M・シェル)親子の運転する車は汽車と激突、ヴェルナーは重傷を負った。近くに医者がいないためヴェルナーの容態は危ぶまれたが、折よく、その汽車に乗り合せた医師ベルトラム(ヴィルヘルム・ボルヘルト)によって救われた。この時からバルバラの感謝の気持は愛に変り、ベルトラムの気持も清純なバルバラに愛情をもった。やがて二人は結婚した。だが医者というきびしい職業は、楽しい新婚旅行の途中から彼を呼び戻してしまう。バルバラには淋しい結婚生活だった。子供が生れたが不治の病を持っていた。ベルトラムの失望は大きく子供の将来を思い、注射で安楽死させようとした。事を知ったバルバラはサンタ・ケルクの医者ダニエル(イヴァン・デニ)のもとに子供を連れて逃げた。ダニエルは子供の病気についてベルトラムと違った診断を下し、医者の職務についても異った考えを持っていた。総てが夫と違うダニエルの男らしさにバルバラの気持は引き寄せられた。だがダニエルにも子供は救えなかった。子供は死んだ。バルバラとベルトラムを結んでいたきずなは断たれた。彼女は夫と別れてダニエルと一緒になる決心を固めた。この事を告げに夫のもとへ帰ってみると彼の態度は一変していた。ベルトラムはバルバラと子供がいなくては生きてゆけないと告白した。これを聞いたバルバラは子供の死とダニエルとのことを打明ける勇気を失った。そこで時間がこの間題を解決してくれるものと思ったバルバラは、ダニエルのもとに帰り、態度をはっきり決めようとした。だが運命の手がのびていた。バルバラとダニエルは水泳に出かけた。海中に飛び込んだダニエルはそのまま波にのまれてしまった。今や自分の考えが間違っていることを知ったベルトラムは車でサン・ケルクへバルバラを迎えにやって来た。その時ベルトラムの見たものは土地の者数人が従う霊柩車と、その後に続くバルバラの姿だった。葬儀に列席しているバルバラは夫を見つけるや駈け寄った。ベルトラムは彼女を抱き、ドア開けた。こうして二人は新生活に向って再出発するのであった。

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