乙女の館

劇場公開日:

解説

ダニエル・ダリュウ主演による往年の「禁男の家」の再映画化で、今回は、ジャック・ドゥヴァルの原作を「野性の誘惑」のジャック・コンパネーズ(五六年歿)が脚色、「肉体の怒り」のジャン・オーレルとポール・アンドレオータ、「街の仁義」のラルフ・アビブの三人が更に手を入れ、これを同じくアビブが監督した。台詞に「忘れえぬ慕情」のアネット・ワドマンが加わっている。撮影は「街の仁義」のピエール・プティ、音楽は「巴里野郎」のジョルジュ・ヴァン・パリス。主な主演者は、「野性の誘惑」のニコール・クールセルと「街の仁義」のジャン・ルイ・トランティニャンを中心に「夜の騎士道」のダニイ・カレル、「不良の掟」のベアトリス・アルタリバ、ブリジット・バルドオの妹ミジャヌーのほか新人のジョルジア・モル、フランソワーズ・デルバールなど。

1957年製作/フランス
原題または英題:Club de Femmes
配給:東和
劇場公開日:1957年3月30日

ストーリー

花のパリも、この頃は住宅難。住むに家なく学業を続けられぬ男女学生の一団が「我らに宿舎を」のプラカードを掲げ街を行く。シルヴィ(ダニー・カレル)ミシェル(ジャン・ルイ・トランティニャン)も一団に加わっている。翌日、女子学生ながらデモ隊のリーダー格ニコール(ニコール・クールセル)は新聞社に編集長のゴーチェを訪ね、学生に宿舎をという主張を扱うよう頼むが、相手にされない。その頃、デモ隊の一人、シュネットは自分が見習で働いている公証人の事務所で書類の中から空家になっている広い邸のあることを発見した。その夜、例の邸に二十数人の家なし女学生が実力行使で入り、ここに女性クラブが生れ男子禁制の共同生活が始った。夜中に、怪しい男が忍び込み大騒ぎが起ったりするが、ある朝、モレル氏なる人物が、空家の筈だがと不審げな顔でクラブを訪ねて来た。シュネットは追返したが、実はクラブに重大危機が迫ったことに気がつかない。娘たちの頭は日曜日のランデヴーで一杯。シルヴィとミシェル、ニコールまでが例の編集長と逢引き。翌日、シュネットは、公証人の事務所で、先日のモレル氏が、例の邸は自分が事務所を作るため買ったのに娘たちが入っていると抗議をしに来たのにぶつかった。これをシュネットから聞いたクラブの住人は、しかし強硬で、現われたモレル氏と公証人を再び追返す。そんなある日、好色な隣家の主人が双眼鏡でクラブを覗き込んで大騒ぎ。そのうえ遂に邸に執達吏が来る。女性軍が抗戦の決意を固めると今度は大勢の警官が現れ強制立退き、あわや一戦というとき不注意から邸内に火事が起り、消防車の出動で大混乱。煙に追われた娘達は警察車に乗せられる。これを全パリの新聞が大々的に報じたが、ここで困ったのはモレル氏の石鹸会社の社長である。女性を警察力で追立てては、女性が顧客の石鹸の売行が止ること明らかである。遂に社長は例の邸を開放、女性の人気取りに転換した。やがて女子学生の笑顔のうちに石鹸会社提供の「女性クラブ」開館式が華やかに開かれた。

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