早春のレビュー・感想・評価
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性への目覚めが瑞々しく、鮮やかに切り取られている傑作
瑞々しい感覚で青春の青い性の目覚めを描く
中卒で地元の公衆温水ブールに就職した15歳の男の子
中々にイケメン、ズバリ美少年
女性からモテまくりで羨ましい限り
しかし職場の先輩の綺麗なエロいお姉さんには相手にされない
物語としてはそれだけだ
21世紀に生きている我々からするとなんとナイーブなことかと思うかもしれないが、これが舞台のいくら大都会ロンドンでも1970年当時はその年頃なら普通のことだったのだろうと思う
マイク役のJ・モルダー・ブラウンが素晴らしく、この映画のテーマをその整った顔、その細く綺麗な肉体が写っているだけで体現しているといっていい
冒頭の赤いペンキが結末の惨事を予告して、更に惨事の前には緑色の壁を真っ赤にまで塗ってみせる
白い無彩色の雪の公園、同じく白い無彩色な空のプールが、ラストシーンの血の赤、コートの黄色、水の青の色彩と対比されて、我々はその美しいを鮮烈な思い出としてこの光景がマイクと共有される
この色彩の使い方が見事だ
スーザンのヌード看板と水中での自慰しかできなかったのが、実際に彼女の裸体にしがみつき妄想が叶った時の彼の脳裏には、最早スーザンの裸体しかにない
その色彩が狂おしい性衝動のなかで渦巻いているのだ
若い男子の性衝動は止めようがない
就職したところが悪かったというか
彼が奥手過ぎだつたのか
もちろんプールが舞台なのは、人が服を脱ぎ裸になるところであり、大量の水は性への連想を予定してのことであり、空のプールに水を流し込む行為は性行為そのものの暗喩だから
それ故に、そこに舞台が定められているのだ
同時代の庄司薫の青春小説「狼なんか怖くない」
や「赤頭巾ちゃん気をつけて」等の作品の雰囲気と、とても似ていると思う
何十年ぶりに懐かしく読み返したくなった
共感できない?
イエジー・スコリモフスキの映画の登場人物に関して、「共感できない」「見ていて苛つく」という感想が目に付き、そのことが作品そのものの評価になっている。非常に残念な映画体験である。
モノクロ時代の彼の作品「バリエラ」「出発」、監督作ではないが「水の中のナイフ」、近年の作品「イレヴンミニッツ」に登場する主な人物の誰に共感できるだろうか。共感できる者がいたとしたらスコリモフスキ自身が驚くのではないだろうか。
この作家の作品を観ていていつも感じるのが、バチバチと音を立てるかのようにすんなりとは脳に入ってこない映像である。カラー作品であれば色彩がその要因の一部をなすが、それはあくまで一つの要素に過ぎない。人物への反感など、様々な摩擦が自分の中で起き続け、ストレスなしには観ていられないのである。
よくもまあ、これだけ観客を突き放しにかかる映像をまとめ上げるものだと、そのひねくれぶりに感心させられるのだが、これがスコリモフスキの才能であろう。
早春ならぬ深終
⚠️鑑賞注意❗️
1970年のレトロ映画だと知らずに鑑賞🤦🏻♂️
画質も音質もボヤけてるのはしょうがないのですが、主人公の青年も終始ボヤボヤボヤけた奴で観ていると苛ついて何度も引っ叩きたくなります💥💥👋🏼💥😠オラオラオラオラ
例えが外れていたらなんですが、このノリは、あまり観たことないのですが昔テレビでやっていた中山美穂さん主演のちょっとエッチなドタバタコメディドラマ『毎度おさわがせします』more支離滅裂ver.かな🤔なんて頑張って好意的に受け止めようともしたのですが、
アホ青年と彼の恋焦がれるアホビッチの行動がずーっと気まぐれ直情振り回し型で、話の展開も会話のやり取りも、ずーっと自分とは頭のネジ🔩の緩み加減の異なる異国の者が作った不明なノリ全開で、それらについて行けず鑑賞中呆れっ放しでした🤷🏻♂️
2人とも朝まで熱湯コマーシャル風呂にでも浸かっておけばよいよホント😤🖕🏼
ポイント無料鑑賞が救いでしたが、鑑賞に費やした時間や忍耐を、タダ券か映画1本分料金で返還して貰いたい気分です。
まあ、へんてこレトロ映画と知らずに観に行った私も悪かろう🤦🏻♂️
ほんと意識高過ぎ高杉くん系小シネマは過剰な映画愛から時に平気で下手物食いもするから気を許せんわい😬
ポップでキュートな恋物語
いかにも1970年という感じ。
でも今見ても楽しい。
彼女の黄色いコート、車やペンキの赤、緑の壁、プールの青。
そして肥大していく妄想。
初恋の興奮は永遠ですね!
思わせブリな素振りで狂っちゃう!?
爽やかな恋愛モノ青春物語の雰囲気が醸し出されているけれど常軌を逸した度を超え過ぎな彼の行動は異常。
職場に魅力的な女性が気もありそうな感じで関係性を築けたら色々と勘違いもウブな若い少年な訳だしハマったら大変!?
ホットドッグを何個も食べたりパネルを持ってウロウロしたり寒そうな雪の中でマラソンしたりダイヤを探したりして憧れた女性との儚い関係性を描いて・・・。
そんな単調には終わらないラストは衝撃的で呆気ない幕切れでボー然とエンディングロール。
J・スコリモフスキの作品は「エッセンシャル・キリング」と「イレブン・ミニッツ」の近作しか観ていないがどれもラストが凄い。
オープニングから音楽も素晴らしく映像の色が綺麗で素敵な初恋とも失恋とも軽くサイコチックで!?
バタアシ金魚を思い出す
主人公のウザさがバタアシ金魚を思い出す。当然こちらのほうが早いが。そしてプールだけでなくて浴場とセットという妄想しか生まれない場所で悶絶&暴走する主人公。そしてあらゆる妄想を掻き立てるヤリマン女。普通と違うのは主人公が美少年ということ。そして美少年なのにバカなのかポップて美しい。
本物だった!
40年以上前にテレビの深夜放送で観て衝撃を受け、その後上映館はないか?ソフト化はされていないか?探しましたが見つからず、ようやく公開46年ぶりに本日恵比寿ガーデンシネマでリバイバル上映となりました。
40年以上前の衝撃は記憶で美化されたものではなく本物だったということが確認出来ました。まぎれもない青春映画の傑作です。
ただしこれは男性からの視点で、女性が観てどう感じるかは判りません。執拗なストーカー映画と感じてしまう可能性もなくはないかもしれません。
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