恋のレビュー・感想・評価
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大人の恋愛に利用された少年の無垢な恋心を冷徹に描いたイギリス映画
20世紀初頭のイギリスを舞台にした初恋に纏わるひと夏の出来事を追憶する、ある男性の回想映画。それは淡い初恋の美化されたノスタルジーではなく、階級社会の中で自由な恋愛を求めた一人の女性に利用され仕打ちを受けた13歳の少年の心の傷が描かれる。感傷に浸れる想い出とは程遠い。この残酷な物語を、ジョセフ・ロージー監督の冷徹な演出が更にイギリス映画らしくする。大人になるための階段を一つ一つ登るのが理想かも知れないが、現実は時に衝撃的な事件を経験せざるを得ないのかも知れない。身分の違い、恋愛と結婚、愛と性、子供と大人、男と女の対立構図が常に主人公の少年に覆い被さる。 階級社会で身分に従うことなく愛し合う女と男の間に入り、恋文の配達人をする少年の純粋な憧憬を汚す、大人の傲慢さを見抜いた作者がいた。苦い後味が残る恋愛映画として希少な存在である。 1976年 11月26日 ギンレイホール
少年のひと夏の恋・・・あぁ少年時代に戻りたい
夏服を忘れたためにマリアンが服を買ってくれた。レオのことをとても気に入ってくれるマリアンは二人の男と文通している。少年レオの目には単なる友達であるかのように映ったのだろう。身分の違いもわからず、理解しがたいポストマン役。性教育も受けてなかったのでしょうね。クリケットの試合で盛り上がり、マリアンのピアノ伴奏で歌うテッド。半ば諦めかけた幼き恋は、マリアンとトリミンガムの婚約というニュースでますます混乱。 魔術を使うことが出来る少年として紹介されていたが、あまり気の利いた伏線じゃなかった。ラストにマリアンの母親に手紙の事実がバレてしまい、マリアンとテッドの密会現場を目撃してしまうが、終盤の展開が目まぐるしく過去と現在を巡り、落ちつきがなくなる。「過去の経験は外国みたいなものだ」という冒頭の台詞通り、マリアンの真意を掴めぬままレオは育ったのかもしれない・・・
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