「【”劇シブ、フレンチノワール。”後の作品に影響を与えたと思われる、アラン・ドロン、イブ・モンタン、ジャン・マリア・ヴォロンテ演じる三人の男が宝飾店から宝石を奪う完全無音のシーンは絶品です。】」仁義(1970) NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【”劇シブ、フレンチノワール。”後の作品に影響を与えたと思われる、アラン・ドロン、イブ・モンタン、ジャン・マリア・ヴォロンテ演じる三人の男が宝飾店から宝石を奪う完全無音のシーンは絶品です。】
■コレー(アラン・ドロン)は、5年の刑期を終え、且つての仲間リコから大金を奪い、巴里へ向かうが、途中の警察の検問中に彼の車のトランクに、列車で護送されていたヴォーゲル(ジャン・マリア・ヴォロンテ)がマッティ刑事(ブールヴィル)を出し抜き、脱走し、乗り込んで来る。
コレーは、リコが放った追っ手に捕まるが、ヴォーゲルにより助けられる。
そして、ヴォーゲルの仲間で、元警官の射撃の名手ジャンセン(イブ・モンタン)を仲間に入れ、宝飾店から宝石を強奪する計画を練るのであった。
◆感想<Caution!内容に触れています。>
・今作の一番の魅力は、アラン・ドロン、イブ・モンタン、ジャン・マリア・ヴォロンテ演じる三人の男コレー、ジャンセン、ヴォーゲルが宝飾店から宝石を奪う無音のシーンだと思う。
・事前に客のふりをして下見をしっかりと行った後に、ジャンセンが特殊な配合で、時が過ぎると溶ける銀色の銃弾をダイカスト鋳物から製品を作るように、鋳型に流し込むシーンからの、【完全無音の中】宝飾店のガラスを丸く切り出し、中に入り、ジャンセンがロックを解除するための主電源にその銃弾を見事に打ちこむシーンから、3人がケースを開け宝石を盗み取るシーンは、今作後の幾つかの作品の参考となったのではないかと思う程、見事である。
思いつくのは「ミッション:インポッシブル」(初作)で、イーサン・ハントがCIA本部のコンピュータ室に潜入する名シーンである。
あのシーンも、無音だったもんな。
・その後、コレーは盗んだ品を金に換えようとするが、事件が大きく報道され換金できない。そこに現れたマッティ刑事が演じる故買屋である。
その後の展開は分かるであろう・・。
<今作は、アラン・ドロン、イブ・モンタン、ジャン・マリア・ヴォロンテ演じる三人の男が宝飾店から宝石を奪う無音のシーンが絶品の、劇シブフレンチノワールである。>

