すべての人に愛を求めて
劇場公開日:1970年2月15日
解説
性倒錯の世界に溺れていた女性が、はじめて知った愛の喜びととまどいを描いた作品。監督はロマン・ポランスキーの助監督をしていたことのある、ポーランド出身の新鋭ロベルト・アズダーボール。オリジナル脚本はディーン・C・フィニー、撮影はチャーリー・スティンベルガー、音楽は「エヴァの恋人」のジャック・ルーシェがそれぞれ担当。出演は「ダイヤモンド強奪作戦」のエヴァ・レンツィ、新人ホルスト・ヤンソン、バルバラ・リュティンク、ハンス・シュワイカートなど。
1968年製作/西ドイツ
原題または英題:Eine Frau Sucht Liebe
配給:NCC
劇場公開日:1970年2月15日
ストーリー
みどりしたたる公園で、夕立に会った恋人たち、ジェーン(E・レンツィ)とジョージ(H、ヤンソン)。その二人の前に、盲導犬をつれたメクラの老婆があらわれ、二人に犬をけしかけた。そばにあった杖で、犬と老婆をなぐりつけるジョージ。ジェーンはこれを見て気を失ってしまった。その日から彼女は、ジョージが人殺しであるという固定観念を持ってしまった。彼女はターキンス老人(H・シュワイカート)の書店に勤めていたが、彼は異常性欲者であった。不幸な過去を持つ彼女は、老人のサディスティックな愛撫にも、耐えなければならなかった。あの事件以来、恋人のジョージをさけていた彼女を、そのジョージが、ある日、気分転換の為と、パーティにさそった。パーティには、同じ店で働くヘレン(B・ルュティング)も来ていたが、彼女はジョージと口論してしまった。気分なおしに、ふたりはミュンヘンのカーニバルに行き一日をすごしたが、そこでジョージはチンピラと喧嘩して、腕に傷をうけてしまった。その傷を、ジョージのアパートで手当てしている時、彼は自制心を失い、むりやりジェーンを征服してしまった。いまやジョージとターキンス老人への不安におののく彼女は、ヘレンとのレスビアンに溺れていった。そんなある日、街をさまよっていた彼女は、警官に補導され、ターキンス老人のもとへ、送られてきた。警官に密告したと感違いした老人は、狂ったようにジェーンを殴りつけた。夢中で側にあったナイフをとると、ジェーンは老人に斬りつけた。殺してしまったと錯覚した彼女はジョージのもとへかけ込み、すべてを打明けた。しかし、公園での事件などは、強迫観念から呼びおこされた、彼女の妄想であった。今、ジョージに抱かれながらジェーンは悪夢のような老人のイメージを打払い、新しい青春に向って歩きはじめようとしていた。
スタッフ・キャスト
- 監督
- ロベルト・アズダーボール
- 脚本
- ディーン・C・フィニー
- 撮影
- チャーリー・スティンベルガー
- 音楽
- ジャック・ルーシェ