劇場公開日 2025年7月25日

「1964年。サタジット・レイ監督。超深度の奥行きのある美しい画面で...」チャルラータ 文字読みさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0 1964年。サタジット・レイ監督。超深度の奥行きのある美しい画面で...

2025年8月7日
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鑑賞方法:映画館

1964年。サタジット・レイ監督。超深度の奥行きのある美しい画面で描かれる、不倫未満の激しい思い。出だしの軽快な音楽と人物の動きの同調さ加減は小津安二郎かとおもうほど心地よいなあ、とおもっていると、画面の奥行きに圧倒されてぐいぐいひっぱられる。軽やかな関係が次第に真剣な想いになっていき、怒りにまで達する激しいものになっていく過程がすごい。19世紀末の女性の立場を考えれば、書くことをめぐる女性主人公の逡巡もわかるが、相手の男性への反発とも嫉妬とも愛情とも取れる負けん気を発揮して文芸賞に応募する(そしてなんなく掲載されてしまう)際の、思考中のドアップの額のあたりから二重に写される脳内映像がすばらしい。こんなにすごかった映画を実は一度見ていたのを忘れていたらしいのだが、今回は修復したということだから、インパクトがまったくちがったのだろうということで納得したい。とにかくすごいものを見た。

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