シナのルーレット

劇場公開日:

解説

週末を過ごすために訪れた別荘に、家族のものがばらばらにそれぞれのパートナーを伴って現れたことから始まる心理ゲーム〈シナのルーレット〉を描く。監督・脚本は「秋のドイツ」のライナー・ヴェルナー・ファスビンダー、撮影はミハエル・バルハウス、音楽はぺール・ラーべン、編集はイラ・フォン・ハスぺルクとユリアーネ・ローレンツが担当。出演はマルギット・カルステンセン、アンナ・カリーナなど。

1976年製作/西ドイツ・フランス合作
原題:Chinesisches Roulette
配給:欧日協会
劇場公開日:1984年4月10日

ストーリー

週末のバカンスをひかえたゲルハルト(アレクサンダー・アラーゾン)一家。妻アリアーネ(マルギット・カルステンセン)は、窓べにすわりもの思いに耽っていた。娘アンゲラ(A・ショーバー)はいつも家庭教師のトラウニッツ(マーシャ・メリル)といっしょで、母アリアーネにはあまり寄りつかない。アリアーネは片足に支障をきたしており松葉杖を必要としていた。ゲルハルトは、仕事で週末は家族といっしょに過ごせないといって、いそいそと出かけていった。飛行場に着いたゲルハルトはそこで、降りたったイレーネ(アンナ・カリーナ)を迎えた。自分の車に彼女を乗せると、彼は郊外の別荘へと向かった。仕事で出張というのは口実で、実は、数年来の恋人であるイレーネと週末を過ごそうと考えていたのだ。城のようなその別荘では、管理している家政婦のカスト(ブリジット・ミラ)とガブリエル(フォルカー・シュペングラー)母子が愛想よく出迎えるが、部屋に入ったゲルハルトとイレーネは唖然とした。妻のアリアーネとゲルハルトの秘書コルベ(ウリ・ロンメル)が床でたわむれていたのだ。しかし、彼らは何くわぬ顔で、互いに紹介しあうと、何責めることなく笑みさえ浮かべた。その時、外で車の止まる音がした。みなが窓からみると、娘のアンゲラが、トラウニッツと共に到着するのが見えた。偶然に集まってしまった一家を冷やかに、しかもあざけるように見つめる家政婦のカストとその息子。二人は、一家の使用人として指示通りに働きながらも、この一家を軽蔑しているのだ。交錯した関係の八人が一堂に会して食卓を囲んだとき、両親の不貞をあたかも知っているかのように彼らを憎む娘アンゲラによって、恐しいゲームが開始された。〈チャイニーズ・ルーレット〉という真相究明のゲームだ。それぞれの内に潜んでいる欲求不満、攻撃性、不安の抑圧などを鋭くえぐるような質問や、名を伏せた悪口をアンゲラが皆にあびせた。無表情だった大人たちの顔に、少しずつ焦りの表情が浮かんでくる。なおもアンゲラは〈ゲーム〉を続ける。やがて、一発の銃声が響いた。母親の撃った弾がトラウニッツの喉に命中したのだ。電気が消え、二発目の銃声が響いた……。

全文を読む(ネタバレを含む場合あり)

スタッフ・キャスト

全てのスタッフ・キャストを見る

映画レビュー

映画レビュー募集中!

この作品にレビューはまだ投稿されていません。
皆さまのレビューをお待ちしています。
みんなに感想を伝えましょう!

レビューを書く

他のユーザーは「シナのルーレット」以外にこんな作品をCheck-inしています。