底抜けニューヨークの休日

劇場公開日:1956年8月7日

解説

あとどのくらい生きられるかという人間の心理を風刺的に描いたミュージカル喜劇“ヘイゼル・フラッグ”から「エディ・フォイ物語」の製作監督チーム、ジャック・ローズとメルヴィル・シューヴルスンがマーティン=ルイスのためにシナリオを書き、「お若いデス」のノーマン・タウログが監督した。カメラと音楽は「画家とモデル」のダニエル・ファップとウォルター・スカーフ。マーティン=ルイスを助けて「死の猛獣狩」のジャネット・リー、「スカートをはいた中尉さん」のシェリー・ノース、「アニーよ銃をとれ」のエドワード・アーノルド等が出演する。

1954年製作/アメリカ
原題または英題:Living It Up
配給:パラマウント
劇場公開日:1956年8月7日

あらすじ

ニュー・メキシコ州の小さな駅の駅員ホーマー(ジェリー・ルイス)は一生に一度のニューヨーク見物を思い立ち、ある日貨物列車に忍びこんだ。ところが乗った貨物車が切り離され、砂漠で道に迷ってしまう。そこは原爆実験場。知らずに、乗り捨ててあった自動車で街にやってきたホーマーは、その車に放射能ありと書いてあるのを知って気絶してしまった。ホーマーの名は全米に知れ渡った。放射能のため数日のうちに死ぬというのである。ニューヨーク・クロニクルの婦人記者ウォリー(ジャネット・リー)は社の招待でホーマーにニューヨークを見物させようと計画した。ホーマーを診察したスティーヴ((ディーン・マーティン)は自分の誤診であることが判ったが、見物がふいになるのでホーマーは喜ばなかった。やって来たウォリーを一目見たスティーヴは無用の診察を受けさせない条件で彼も同行すると三人で出発した。ニューヨークでは、ジタバグ踊り子(シェリー・ノース)と踊ったり、あちこちでの大歓迎にホーマーは良心にとがめて来た。ウォリーが結婚を申し込んだが、同情からで本当はスティーヴを愛していると知ったホーマーは結婚式で大暴れをした。ウォリーは彼の命を救おうと病院へかつぎ込み、ホーマーの健康体が明らかとなった。真相を知ったウォリーは社の面子の為、ホーマーに遺言を書かせて投身自殺の芝居をさせることにした。かくてホーマーは、ウォリーと河へ身投げしたが、市長の計らいで道路掃除夫となる、自分の葬式を見物した。

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映画レビュー

3.5 底抜けニューヨークの休日

2026年1月24日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

1937年に作られたスクリューボール・コメディの傑作「Nothing Sacred ('37米=セルズニック) 監督/ウィリアム・A・ウェルマン、脚本/ベン・ヘクト、主演/フレドリック・マーチ、キャロル・ロンバート」のリメイク版である。もっとも「底抜けニューヨークの休日 ('54米=パラマウント)」を初めて観てから、約10年後に「Nothing Sacred」を国立近代美術館フィルムセンターにおける特集「ラオール・ウォルシュとその時代」で観るまで、オリジナル版が存在していることすら知らなかったのである。1954年当時、日本では劇場未公開だった為、オリジナル版を観ている観客や批評家はまず居なかったことから、「放射能による被爆症を笑いのネタにした最低な映画」と言った批評が大半だったようだ。
底抜けシリーズは、アメリカ本国ではかなり有名なオリジナル版の映画があって、それらを下敷きにしたリメイク版であることが多い。例えば「お若いデス ('55米=パラマウント)」はビリー・ワイルダー監督作品「小佐と少女 ('42米=パラマウント)」、「底抜け楽じゃないデス ('58米=パラマウント)」はプレストン・スタージェス監督作品「Hail the Conquering Hero ('44米=パラマウント)」をそれぞれ再映画化したものである。
「Nothing Sacred」は、第二次世界大戦勃発前に、既に放射性元素(ラジウム)を使用した恐ろしい核兵器の開発を進めていた国家に対して、その危険性をスクリューボール・コメディの形で、強烈に批判してみせた映画でもあり、名脚本家で、且つ劇作家や小説家でもあったベン・ヘクト(「暗黒街 ('27)」、「暗黒街の顔役 ('32)」、「生活の設計 ('33)」、「特急二十世紀 ('34)」、「汚れた顔の天使 ('38)」「駅馬車 ('39)」、「風と共に去りぬ ('39)」、「白い恐怖 ('45)」、「汚名 ('46)」、「白昼の決闘 ('46)」、「ロープ ('48)」「黄金の腕 ('55)」、「クレオパトラ ('63)」)の面目躍如たる作品である。しかしながら、オリジナル版を知らない当時の日本人にとっては、そのような批判に走ることも当然であり頷ける。
オリジナル版の出来が良いので、かなり脱線してしまったが、リメイク版の方もまずまず楽しめる仕上がりになっている。西部の田舎町に始まり、後半はニューヨークに舞台を移すが、前半のロケシーン、後半のセットシーンにしても、オリジナル版を参考にしてかなり忠実に再現している感じであり、共に美しいテクニカラー作品でもあるが、かなり似た色調に仕上がっている印象がある。マーチン&ルイスの掛け合いはいつもながらで安心(?)して観ていられるが、共演者もジャネット・リー、シェリー・ノース、エドワード・アーノルド、フレッド・クラーク、シグ・ルーマン等と豪華で、この点でも脇役が皆素晴らしかったオリジナル版を意識した節がある。
尚、「Nothing Sacred」は、現在YOU TUBEで検索すると、デジタルリマスター版の高画質で観ることが出来ます。

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ナオイリ