魔島脱出
解説
英国の文豪ロバート・ルイス・スティヴンスンの小説(『誘拐』1886)の映画化で、モノグラム古参のライター・プロデュウサーで多くの西部劇を手がけているリンズレイ・パーソンズが製作。監督のウィリアム・ボーディンは戦前「ハリウッドは大騒ぎ」「南瓜大夫」が輸入された映画初期以来の長老である。「フランケンシュタインの幽霊」のW・スコット・ダーリングが脚色、ファスト・ナショナルで活躍したウィリアム・シックナーが撮影に当たっている。主演は「わが谷は緑なりき」「激闘」のロディ・マクドウォールに、新人スー・イングランド、「チャアリイ・チャン・シリイズ」のローランド・ウィンタース、「ジャン・ダアク」のジェフ・コーリー、「失われた心」のアースキン・サンフォードの他、ダン・オハアリー、ハウスリー・スティーヴンソン、アレックス・フレイザーらが助演する1948年度作品。
1948年製作/アメリカ
原題または英題:Kidnapped
ストーリー
スコットランド青年のデイヴィッド・バルフォアは孤児になったので、相続権を請求するためエジンバラにやって来た。伯父のエヴネザーは、彼に土地や称号を渡すことを嫌って、青年を誘拐したうえ、ホシーソン船長の帆船に拉致してしまった。奴隷としてカロライナに売り飛ばすつもりであった。船がスコットランドの岸を離れた時、見張りの運転手の目をかすめて、2人の男がボートで脱走しようとした。1人は溺れ死に、英国王の軍事政策に反抗している政治犯のアレン・ブレックだけが生き残った。船長と船員は、かねてからアレンの携えている金に目をつけていたので彼を殺害しようと計った。気付いたデイヴィッドは、早速それをアレンに通報した。アレンは彼等を倒して、デイヴィッドと共に岸へ泳ぎ逃げた。上陸後、デイヴィッドは収税吏殺しの嫌疑をかれられ、ハイランドに追われる身にとなった。そこで彼は宿屋の娘アイリーン・フェアリーに遇った。彼女にかくまわれるうち、デイヴィッドは再びアレンにめぐり合うことができた。3人は打ち揃ってエジンバラへ戻って来た。彼等は伯父のエヴネザーの奸計をあばいて、相続権を取得した上、更に伯父と船長を闘わせる計画を立てた。思いは達せられて、伯父と船長は2人ともに自滅した。デイヴィッドとアイリンは結婚し、アレンの先導で、3人はフランスへ向かって新しい冒険に旅立った。
スタッフ・キャスト
- 監督
- ウィリアム・ボーダイン
- 脚色
- W・スコット・ダーリング
- 原作
- ロバート・ルイス・スティーブンソン
- 製作
- リンズレイ・パーソンズ
- 撮影
- ウィリアム・シックナー
- 音楽監督
- エドワード・ケイ