熊馴らしの娘
解説
「復活(1927)」「ラモナ(1927)」に次ぐドロレス・デル・リオ嬢主演のエドウィン・ケリー氏監督作品である。原作はコンラッド・ベルコビィッチ氏の小説「熊馴らしの娘」で、それを前二作品と同じくフェニス・フォックス氏が脚色した。デル・リオ嬢の相手役を演ずるのは、エドウィン・ケリー氏の娘リタ・ケリーの夫ルロイ・メイソン氏である。その他、リタ・ケリー嬢や「港の女」出演のジェームズ・マーカス氏、ホセ・クレスポ氏、サム・アッペル氏、等も出演
1928年製作/アメリカ
原題または英題:Revenge
ストーリー
カルパシアの山深く、ジプシーの娘ラスカは野性の儘に、奔放に生い育って来た。ラスカは父親と住んでいた。父親のコスタは欧州で名の聞こえた熊馴らしであった。ラスカは熊を馴らす様に男共を馴らすのが好きであった。が、一端馴らされたとなると、彼女はその男を蔑んだ。このコスタの小屋へ、ジプシーの一群がやって来た時、ジプシーの焚く野火の傍で、ラスカは火の様に踊った。その姿に惹きつけられたのはステファンという若者あった。彼はヤンクの娘ティナと婚約の間であったが、ラスカに心奪われた彼は、それすら忘れてしまった。が、ラスカは直ぐにこの男に飽きてしまい、ティナの許に追い返してしまった。その頃、コスタは彼の敵ウルスと決闘して彼を殺した。ウルスの息子ヨルガは、この山中で音に聞こえた山賊であった。彼は父の復讐を誓い、コスタを求めた。彼は偶然ラスカと行き会い、互いに恋を覚えた。が、ラスカがコスタの娘であると知った時、彼はラスカの髪を切って彼女に恥辱を与えた。ラスカはこの侮辱に対し復讐を誓った。が、ラスカが小屋で、ティナに髪を切られた姿を嘲笑された時に、ヨルガはラスカを助ける為に部下の者に命じて、其処に居た女どもの髪を全部切らせた。この時、官憲の一隊がヨルガを追って其処に到着した。ヨルガはそこから逃れるに先立ち、ラスカの部屋に入って愛を囁いた。ラスカは鞭をあげて彼を打った。が、彼はなお彼女に恋を語った。コスタがヨルガの居るのを発見し、短銃を向けた時に、ラスカは自分が彼を殺すからと言ってその短銃を外れさせた。ステファンとティナの結婚の日、ヨルガは例によって花嫁を奪いに姿を現した。ラスカは彼を追った。ヨルガは彼女を却って捕らえた。そしてコスタ等の追跡を逃れて、彼女を己が洞窟に伴い返った。それから、愛と憎しみとの日が続いた。が、遂ラスカはヨルガを愛する己を発見した。再び、コスタ等の一隊がヨルダを探し、ラスカを救いに此の洞窟を襲った時、ラスカは巧みに父親を出し抜き、愛するヨルガと共に、この地を逃れて行った。
スタッフ・キャスト
- 監督
- エドウィン・ケイリゥ
- 脚色
- フィニス・フォックス
- 撮影
- ロバート・カール
- Al. M. Greene