吾れは愛せり

解説

「笑う巨人」「虎鮫」のエドワード・G・ロビンソンが主演する映画で、「紅唇罪あり」「落下傘」のアルフレッド・E・グリーンが監督したもの。原作はデイヴィッド・カースナー策の小説で、チャールズ・ケニヨンとシドニィ・サザーランドが共同脚色した。助演は「シナラ」「宝石泥棒」のケイ・フランシスを始め「母性」のジュヌヴィエーヴ・トバン、「蹴球大学」のJ・ファーレル・マクドナルド、「戦線の嵐」のロバート・バラット、新人ジョージ・ブラックウッドその他である。撮影は「紅唇罪あり」「生の創め」のジェームズ・ヴァン・ツリースが担当している。

1933年製作/アメリカ
原題または英題:I Love A Woman

ストーリー

シカゴの豚肉商で1000万長者と言われる大富豪ヘイドゥン家の嗣子ジョンは、豚屋の息子に似ず絵画音楽などに趣味を持ち、芸術の国ギリシャに憧れてアテネに遊び好きな道の研究に余念がなかった。父親の訃報を得たジョンはヘイドゥン家を継ぐためにシカゴへ帰ってくる。シカゴで彼は死んだ父の最大の商売敵レーンの娘マーサの美しさに心を引かれる。それは1つにはマーサがジョンの労働者保護のための新制度に興味を抱いている様子を示したからだった。かくてジョンはマーサと結婚したが、幾何となく彼はマーサが社交界の花形となりたいために彼と結婚したに過ぎないことを悟った。マーサの嘲笑を構わず、彼は理想の実現に努め、最良の肉でなければ売らない主義を履行した。そのために商売敵の隆昌に引きかえて、ヘイドゥン商会は2流の位置に落ち、マーサは夫を罵倒するのだった。がそんな時ジョンの音楽に対する愛好と理解が役にたって、彼は妻を音楽界や歌劇場に伴って機嫌を直すことができた。そうしたある夜のこと、歌劇見物に行った時ジョンはローラ・マクドナルドという美しい娘に会った。彼女は美しかったが、その声も姿かたちに劣らず美しかった。ジョンはローラを愛したい思いを何らすることもできなかった。かくて彼の出資でローラは音楽を学ぶためにヨーロッパへ行った。彼は彼女と結婚したかったが、なぜかマーサが離婚を承知しないのでその望みは叶わない。そしてまたローラも結婚すれば芸術上の精進できないという理由で、結婚は望まず、ジョンとは密会することを承知した。ローラの進境は目覚ましく、オペラのスターとなった。ジョンは彼女のために金儲けをしなければならない。米西戦争が始まると彼は御用証人となった。そして儲けるために不正牛肉を戦地に送り、シオドア・ルーズヴェルトに告発された。マッキンレーが暗殺されルーズヴェルトが大統領となるに及んで、ジョンは殺人罪で起訴されたが、無罪となった。その後も彼はローラのために金儲けに狂奔し続け、アルぜンチンに手を延ばし、世界大戦が起こると彼は肉と穀物を軍隊に供給した。そのために彼は莫大の資金の融通を銀行に仰いでいたが、休戦となり不況となり彼は破産した。妻にも見捨てられたジョンは憧憬の地ギリシャへ逃れた。そしてアクロポリスの洛陽を眺めつつ彼は自殺した。後を追って来たローラは彼のために彼が愛した歌を歌った。

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