我家の誇り
解説
「お人好しの仙女」「風来坊」のフランク・モーガンが「黄金(1936)」「小都会の女」のビニー・バーンズを相手に主演する映画でアースュラ・パーロット作の小説を「模倣の人生」のウィリアム・ハールバットが脚色し、「フランダースの犬(1935)」「わがまま者」のエドワード・スローマンが監督にあたり、「お人好しの仙女」「第三階段」のノーバート・ブロディンが撮影した。助演者は「ますらを」のロイス・ウイルスン、「愛と光」のロバート・テイラー、「ジャバの東」のエリザベス・ヤング、「二つの顔(1935)」のアラン・ヘール、新人のルイズ・サティマー、「フランダースの犬」のヘレン・パーリッシュ、モーリス・マーフィーという顔ぶれである。
1934年製作/アメリカ
原題または英題:There's Always Tomorrow
ストーリー
ジョゼフ・ホワイトはちょうどその日が結婚記念日にあたるので、妻と2人で芝居見物に行こうと切符を買って帰って来る。ところが家では子供たちが友人を招いてパーティを開いていたので、妻は彼の相手になってはいられなかった。何事も子供たち第一の妻の態度には多少不満を感じながら、彼はベランダで新聞を読んでいた時、1人の婦人が自動車から降りてきて、彼に近所に住んでいるという友人の家を訊く。彼女の顔を見て、彼はそれが数年前に事務所で彼の秘書をつとめていたアリスであることに気がつく。アリスはジョセフが事務所では皆から尊敬されているのに、家庭では一顧すらされない気の毒な父親であることに同情する。2人は彼の買った切符で芝居見物に行く。一週間あまりたったある日、子供たちは仮装舞踏会へ行く途中、電車から降りた父親が洒落た構えの家へ入っていくのを見る。窓越しに中へ迎え入れる若い婦人を見て長男のアーサーはいたく憤慨して、父親が出てくるまで待つと言いだす。真夜中ごろその家から父親は出てきたが、寒い冬だったので彼らの乗ってきた自動車のモーターが凍ってしまう。困っているので戸口で見ていたアリスは電話を彼らに貸して修繕係を呼ぶ。待つあいだお茶をすすめるが、彼らの態度でジョゼフの子供たちであることを知る。彼女は婉曲に彼と彼女の立場を説明する。子供たちは父親に同情するが女には好意を持つことができない。翌週の同じ日がきて父親はまた夜出ていこうとする。子供たちは極力彼をやらないように努力するが無駄であった。出て行こうとしたとき扉が開いてアリスが訪ねて来る。彼女は急に思い立ってパリへ行くと彼に知らせる来たのである。子供たちは彼女がホワイト家のために去っていくことを知って感謝する。ジョゼフは愁わしく1人の友人が去っていくのを見送る。
スタッフ・キャスト
- 監督
- エドワード・スローマン
- 脚色
- ウィリアム・ハールバット
- 原作
- ウルスラ・パロット
- 撮影
- ノーバート・ブロディン