風雲のゼンダ城
解説
「ゼンダ城の虜」の後日譚で、前同様にアンソニー・ホープ卿の原作である。エドワード・J・モンターニュが脚色しヴィクター・ヒアマンが監督した。レックス・イングラムの監督した「ゼンダ城の虜(1922)」と比較して見るのも興味が深い。俳優ではルイズ・ストーンの役をバート・ライテルが、ラモン・ナヴァロの役をルー・コディが、アリス・テリーの役をエレン・ハンマーシュタインがおのおの受け持っている。その他この映画のオール・スター・キャストは真に驚くべきものがある。ホバート・ボスウォース、クレア・ウィンザー、ブライアント・ウォッシュバーン、マージョリー・ドウ、アドルフ・マンジュウ、アーヴィング・カミングス、ミッチェル・ルイス、ナイジェル・ド・ブルリエ等などと、映画界始まって以来とも言うべき素晴らしさである。セルズニック社が製作し始めたころ、あまりに費用がかかり過ぎて撮影が終わった頃一時同社が破産し債権者の手にネガティヴが約半年ほど保管されていたという因縁付きの映画である。
1923年製作/アメリカ
原題または英題:Rupert of Hentzau
ストーリー
「ゼンダ城の虜」の物語から3年後にこの物語は起こる。死んだと信じられていたヘンツォーのルパートは、巧みに逃れていたのであった。フラヴィア姫とルリタニア王ルドルフとの婚儀は盛大に行なわれた。しかしフラヴィアは愛なき王の態度に淋しい日を送ることが多かった。彼女はかつて恋を語ったイギリスの冒険家ルドルフ・ラッセンディルの身を想わないではいられなかった。その想い募るにつれ、フラヴィアは遂にイギリスにいる彼に書面を送ろうと、忠臣フリッツ伯爵にその任を依頼する。これを知ったルパートは途中に伯爵を襲って女王の書面を奪取した。ルドルフはこれを聞いて再びルリタニアに来たり、フリッツ伯爵サプト大佐などと力を合わせ、ルパートが書面を王に届けようとするのを防ぐ。悪人対忠臣の火花を散らす大争闘が広げられる。王はルパートに殺されたが、ルドルフは激しい決闘の後にルパートを殺す。フラヴィアは王位を捨ててルドルフの妻となって真の幸福をうけることになった。
スタッフ・キャスト
- 監督
- ビクター・ヒアマン
- 脚色
- エドワード・モンターニュ
- 原作
- アンソニー・ホープ