猟奇ホテル

解説

「化粧の天使」「久遠の人生」と同じくビリー・ダヴ主演映画で、ウォルター・ハケット作の舞台劇に基づいて「化粧の天使」のフォレスト・ハルシーが脚色して台詞を書き、「殺人犯横行」「巴里(1929)」のクラレンス・G・バッジャーが監督し、「噂の姫君」「殺人犯横行」のジョン・サイツが撮影したものである。助演者は舞台から来たシドニー・ブラックマーをはじめ「赤新聞」「太無き妻」のクライヴ・ブルック「ビッグ・ハウス」「世界の与太者」のリーラ・ハイアムス、ジョン・ローダー、フレッチャー・ノートン、クロフォード・ケント等。

1931年製作/アメリカ
原題または英題:Sweethearts and Wives

ストーリー

南フランスのある田舎街道に一軒のホテルがある。変に物すごい化け物屋敷じみた建物である。おりからの豪雨に自動車はめちゃめちゃになりガソリンは無くなるし、途方に暮れてアンソニー・ピールとアンジェラ・ウォーシントンは、ほかに宿る所もないのでこの不気味なホテルの門をたたいた。ホテルでは主人とウェイターとが何事か密議中で、女中が物陰からその様子を見ているところだった。ピールは自動車を修繕してくれと頼んだが出来ないとのこたえ。アンジェラはこんな所に一晩止まってぐずぐずしていると夫に発見されるかもしれないと嫌がった。その話をフランス語だけしかわからぬアンジェラはやがてピールと共に部屋に閉じ込められていることを知る。途端に隣室で男の悲鳴がした。2人は戻って来た女中の鍵を奪って隣室に入って見るとそこは空部屋だ。フランスの巡査数名とレジノールド・デブレットと名乗る英国の探偵がやって来て取り調べを開始すると、ホテルの主人とウェイターはいつの間にか消え失せてしまった。デブレットは紛失したダイヤの首飾りを探し始める。巡査は男の死体を発見した。その結果ホテルにいる者は全部外出禁止となり、アンジェラは夫に知れたら大変と心配し始める。すると女中は彼女と着物を取り替えて自らピール夫人と名乗って探偵をあざむく。翌朝ピールは男が殺された部屋でボタンをひとつみつけた。そして首飾りは女中が持っていた。ピールは首飾りを探偵に渡す。探偵というのは離婚専門の探偵で首飾りは離婚に最も必要な証拠物件だという。女中はこの首飾りの持ち主は自分の姉で、姉を助けるために自分が保管していたのだと告げる。アンジェラの夫ウォーシントンがやって来て妻とピールとにある関係があることを発見するが、女中はパトリシア・ローリングがすべての事情をうまく説明し、彼女自らピールと結婚した。

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